五感の強み、生かせていますか?:ビジネスマンの不死身力(2/2 ページ)
ビジネス上の課題を解決するためには、漫然とではなく、自分の五感の強みを意識して考えてみると、思いもよらない解決策に結びつくことがある。これはなぜだろうか。
五感の強みを意識してアイデアや解決策を導く
例えば何かしらの課題があり、それを解決すればどのような結果になるかを想定する場合を考えてみよう。
わたしは「体感」が強みなので、まず「もしそれを行動に移したら、どんな感じがするか」を考える。ワクワクするか、違和感が起きるかなどを思い描き、「やる」「やらない」を判断する。解決策を考える際に体の反応として起きる「嫌な感じ」や「モヤモヤ感」に意識を傾けて、「モヤモヤの原因は何か」「どうすればうまくいくのか」といった解決策を、もう一人の自分と対話するようにしている。
以前、コーチングのクライアントであるAさんと話をした時のことだ。Aさんは「リーダーの仕事を引き受けた。周囲からは将来をイメージしてグループを率いるように言われるが、わたしは将来をイメージできないため、何をすればいいか不安だ」ともらしていた。話を聞いてみると、Aさんは「自発的なチームにしたい」という要望があった。
「もしそれが実現したら、どんな“感じ”がすると思うか」と聞いたところ、Aさんは「仲間とともにとても充実していると思う。そう考えると、なんだかワクワクしてきた」と答えてくれた。話を聞いているうちに、実現のためにできそうな行動の項目を自ら挙げるようになった。わたしがしたことは、解決策を導く際に使う五感を、「イメージ」から「体感」に変えるように促したのだ。
課題を解決した時の姿を思い描く際には、視覚型の方はイメージすればいいし、聴覚型の方は言葉を書き出したり読み上げたりしてみたらいい。1つの感覚に固執せず、いろんな感覚を意識的に使ってみることで、思ってもみない解決策が浮かぶこともある。
五感からの情報を生かすポイント
五感からの情報を生かすにはポイントがある。それは、目で見たもの、耳で聞いたもの、体で感じたことに素直になるということだ。五感からの情報は、頭で論理的に考えた答えというよりも、突拍子もなく浮かんできたものだったりする。これらはどんな情報であれ、すべて自分の中から出てきたものだ。それらを否定せずに、まず受け入れてみるという姿勢を持つといい。そして、なぜこの考えが浮かんだのかを考えることで、問題解決の意外なヒントが見つかるものだ。
あなたも、自分の五感の強みを知り、それを生かしてみてはいかがだろうか。
著者プロフィール:竹内義晴(たけうちよしはる)
テイクウェーブ代表。自動車メーカー、コンピュータ会社を経て、現在は、経営者・起業家・リーダー層を中心としたビジネスコーチング、人材教育に従事。システムエンジニア時代には、プロジェクトマネジメントにコーチングや神経言語学を生かし、組織活性化を実現。この経験を生かして、クライアントの夢が現実になるよう、コーチングの現場で日々奮闘している。アイティメディア「オルタナティブ・ブログ」の「竹内義晴の、しごとのみらい」で、組織作りやコミュニケーション、個人のライフワークについて執筆中。
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