富士通、遠隔操作でデータ悪用を阻止するノートPCを発売へ
富士通は、PHS網を利用して遠隔操作でHDD上のデータを利用できなくさせる機能を搭載したノートPC機種を発売する。
富士通は8月24日、遠隔操作でデータの悪用を阻止する「CLEARSURE」機能を搭載した法人向けノートPC「FMV-LIFEBOOK FMV-S8390」を9月に発売すると発表した。
CLEARSURE機能は、PCに内蔵されたPHS通信モジュールと暗号化対応HDDを利用し、PC管理者が遠隔操作で紛失や盗難にあったPCのHDD上にある復号鍵を消去させてデータの悪用を抑止する。富士通と富士通研究所が5月に発表した技術を商用化した。
通信モジュールはPCの電源とは関係なく動作するため、ウィルコムのPHSサービスエリア内であればCLEARSUREを利用できる(圏外では利用不可)。指示した消去の結果は管理者に通知される。CLEARSUREは標準で1年間利用できるが、購入時にオプションを指定することで期間を3〜5年間に延長可能。復号鍵の消去と併せて第三者による操作を禁止させる「PCロック機能」も提供する。
FMV-S8390は、13.3型ワイドXGA液晶画面や暗号化機能付きの160Gバイト容量のHDDなどを搭し、最長10.5時間の駆動できる。CLEARSURE以外にもセキュリティチップや指紋認証センサーなどのセキュリティ機能も搭載している。
価格(Windows Vista Business & ダウングレードサービスモデル)は、CPUにIntel Core2Duo P8700(2.53GHz)を搭載したモデルが24万9000円、Celeron 900(2.20GHz)を搭載したモデルが21万6000円。CLEARSUREの利用期間を3年間に延長するオプションは1万7000円、同4年間は2万1000円、同5年間は2万5000円となっている。
また、10月以降にPCセキュリティ管理ツール「Systemalker Desktop Patrol」にも対応する予定だという。
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