デルがコンサルサービスを強化へ:ニュース解説 デルとMSの提携拡大
デルとマイクロソフトによるエンタープライズ分野でのソリューション提供の協業強化は、デルのコンサルティングサービスが要を担っているようだ。
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デルとマイクロソフトが9月7日、企業向けサービスとして、「データセンター仮想化」「ユニファイドコミュニケーション」「デスクトップ最適化」「データベース管理」の4分野で提携強化すると発表した。(ニュース記事参照)
両社の製品を組み合わせて4分野で最適なソリューションを提供するものだが、この提携強化のポイントは、デルのコンサルティングサービスがソリューションの要になっていることにある。
デルのコンサルティングサービスはまだ目立たない存在だが、かねてから地道な活動を行っている。
サービス名称は「Dell ProConsult」。デル自社内のIT環境構築と数多くの導入経験に基づいて世界規模で確立した方法論をもとに、顧客の課題を可視化し、業界標準技術を用いて低コストで信頼性や拡張性、柔軟性のあるシステムを解決策として提供し、導入支援することを生業としている。
とりわけ、データセンターを全体最適化するため、ITインフラストラクチャの計画、管理、および運用コスト削減を目指した多様なコンサルティングの選択肢を用意している。
今回の両社の4分野における提携強化の内容をみると、データセンター仮想化ではDell ProConsultに含まれるデータセンター仮想化コンサルティングサービスにより、ワークショップからアセスメント、設計、導入サービスに対応。ユニファイドコミュニケーションでは、Dell ProConsultで一括設計・構築し、顧客の業務効率向上を図る仕組み作りを推進する。
デスクトップ最適化では、Windows 7を中心とした大規模なクライアントPCの運用上の課題解決や、生産性、利便性の向上を実現するクライアント環境の最適化や仮想化をDell ProConsultによって実施。データベース管理では、Dell ProConsultを通して、SQL Serverに関する高い技術的スキルと豊富な経験を有するコンサルタントが、ハードウェア買い替え時の強化ポイントなどを明確化するアセスメントサービスをはじめ、顧客ニーズに合った柔軟なサービスを提供するとしている。
両社が今回、提携強化した4分野は、これからまさにソリューションの激戦区となる領域だ。Dell ProConsultが多くのユーザーに受け入れられるかどうか、注目される。その意味では、今回の提携強化は、デルのコンサルティングサービスの強化策ともいえそうだ。
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