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メディアに火を付けるコツ【後編】:WebPRの仕掛け方(3/3 ページ)
消費者は商品の存在に気付いた後、商品特性を理解し、ほかの製品と比べた上で、購入する。企業が商品やサービスを売るためには、この購買プロセスごとに適切な施策を講じていく必要がある。
商品を買いたくなる状況を作る手法
最後は「買う」というステップだ。これは消費者に商品の購入を促すプロセスを指す。商品の特徴を理解し、他商品と比較して優位性があると認識しても、消費者はすぐにその商品を購入しない。そのために企業は「今、買わなくてはいけない」「今、買うと良いことがある」といったメッセージを消費者に伝え、消費者が商品を買いたくなる状況を作り出さなければならない。
このメッセージを伝える上で考えておきたい点は大きく分けて3つだ。
- 期間の限定:「タイムセール」や「いまならプレゼントがもらえる」「本日に限りポイント10倍」など、期間限定でのメリットを訴求する
- 場所の限定: 「ネット限定割引」「コンビニ限定販売」「○○デパート限定」「地域限定」など、購入場所が限られている情報を盛り込む
- 数量の限定: 「先着100名まで」「在庫限り」「シリアルナンバーつき」など、数量による限定を入れる
「買う」のステップで取るべき施策は、これらの情報をプレスリリースやメディア向け企画提案などの手法を用いて訴求することだ。
ただし、購入につながるメリットを消費者に提示するには、あらかじめクライアント(社内で実行する場合なら自社内)の協力を仰ぎ、この施策用に限定のキャンペーンや特典を用意しておく必要がある。そこまでを含めて1つの施策であると考えていただきたい。
最終回では、WebPRを実行した後の効果測定の方法を説明する。
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著者プロフィール:太田滋(おおた しげる)
ビルコム 代表取締役兼CEO。PRの戦略構築から企画実行までを手掛けるPR会社としてビルコムを2003年に設立。2008年にはWebPR関連のサービスを提供しており、相模ゴム工業のWebキャンペーン「LOVEDISTANCE」なども仕掛けた。著作にはWebPRの実践手法をまとめた書籍「WebPRのしかけ方」がある。
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