台数、金額とも前年割れ――2009年のPC出荷実績
MM総研によると、2009年の国内のPC出荷実績は台数、金額ともに前年割れとなった。出荷台数をけん引したのは個人向け市場で、法人向け市場の出荷台数を上回った。
台数・金額とも前年割れ、法人市場が不調
MM総研は2月3日、2009年1〜12月における国内のPC出荷実績の結果を発表した。国内のPCは出荷台数が前年比4.2%減の1305万1000台となり、マイナス成長だった。PCの単価下落が進み、出荷金額は同21%減の1兆1580億円にとどまった。
個人/法人別に見ると、個人向けのPC市場が好調。同4.2%増の662万4000台を出荷した。Netbookが出荷台数の増加をけん引。2009年10月に発売されたOS「Windows 7」による買い替え需要も出荷台数を引き上げた。
企業や官公庁などの法人向けのPC市場は、同11.5%減の642万7000台。2008年下半期から顕著になった世界的な不況の影響を受け、企業が設備投資を控えたことが影響した。
PCの出荷金額は9年連続で減少している。また1995年にMM総研が同市場の調査を開始してから、個人向け市場の出荷台数が法人向け市場を初めて上回った。
メーカーシェアではNECが首位
メーカー別のシェアでは、NECが18.4%を占め1位を獲得した。2位は富士通の18.2%、3位は12.5%のデルだった。前年から順調にシェアを伸ばしているのは東芝。A4型のノートPC、Netbookで機種を増やしたことが奏功した。Netbookの好調により日本エイサー、アスースジャパンが前年から順位を1つずつ上げた。
タイプ別ではノート型が720万1000台で前年比4.9%減、デスクトップ型は451万台で同15.3%減。法人需要の多いデスクトップが大幅減となった。Netbookは86.1%増の134万台を出荷し、全体の10.3%を占めた。
2010年の市場規模は前年比4.2%増の予想
MM総研は、2010年のPC市場が前年比4.2%増の1360万台になると予測。Netbook出荷が一巡する個人向け市場は横ばいの670万台、Windows XPを搭載したPCの入れ替えが起こる企業向け市場は同7.3%増の690万台に上るとしている。
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