1QのPC出荷台数は9.8%減 企業向けPCが大幅に落ち込み:IDC Japan速報
金融危機の影響で企業向けPCの需要が落ち込み、国内における2009年1QのPC出荷台数は前年同期比9.8%減の378万台となった。
調査会社のIDC Japanは、国内におけるPC出荷台数の速報値を発表した。2009年1月から3月(第1四半期:1Q)の出荷台数は、前年同期比9.8%減の378万台となった。金融危機の影響で企業向けPCの需要が落ち込んだことが要因。
378万台の出荷台数のうち、企業向けPCは同期比19.2%減の175万台、消費者向けのPCは同5.3増の169万台。家庭向けのPCが企業向けPCの出荷台数と肉薄した。低価格のミニノートPCの出荷台数は2008年4Qとほぼ同じ42万台を保った。
2009年2Qの見通しとして、低価格PCの影響によりプラス成長を維持するが、成長率は鈍化する。先行きに対する不透明感は続くビジネス市場は、PCの買い控えが出る傾向にあるという。
ベンダーシェアは変動なし
今期のベンダーシェアの順位は、前年同期と変動がなかった。上位3社が前年同期比で2ケタのマイナス成長になった反面、東芝とHPがプラス成長を維持。2社は10%を超えるシェアを獲得した。
1位のNECは前年同期比23.7%減、2位の富士通は同16.9%減、3位のデルは同18.4%減と大きく出荷台数を落とした。NEC、富士通はビジネス、家庭市場ともに出荷台数が同2ケタのマイナス成長だった。
4位の東芝は前年同期比0.7%増、5位のHPは同8.4%増と出荷台数を増やした。シェアは東芝が10.3%(2008年4Qから0.6ポイント増)、HPが10.2%(同1.3ポイント増)となった。
IDC Japanパーソナル・コンピューティングでグループマネジャーを務める片山雅弘氏は「低価格PCの出荷は順調だったが、既存のポータブルPCが家庭市場で2ケタのマイナス成長だった。金融危機の影響が企業、一般消費者に波及している。ビジネス市場は大型案件の受注残により、落ち込みが少なかった大企業向け出荷も減少している」と分析している。
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