「こんなこと聞いたら怒られるかも、って心配はない」――現役MS社員が“社員力”を語る(後編):IT投資の新方程式(2/2 ページ)
ちゃんと会うのは今日が初めて――そう話す3人だが、会話のリズムは付き合いの長い同僚同士さながらだ。こういった点からも、MSの組織のフラットさを感じ取れる。
ITを使ってハッピーになってもらう
――社外の人からは、MS社員はどのように見られている?
香坂 それはもう、「PC相談役」ですねえ(笑)
吉田 マーケティングに強い会社、とも思われていますね。
香坂 マーケティングというセグメントの中で、さらに細かくロールを設定しているのは、珍しいことだと思います。例えばわたしは、マーケティングの中でも「お客様導入事例」を担当しているのですが、こういったスポットにまで専任を置く企業はあまり聞きません。
輪島 わたしの場合は、Windows製品の担当ということもあり、「今後のWindowsがどうなっていくのか」ということを、期待を込めて聞かれます。Windowsがどう変わって、そして自分たちの働き方がどう変わるのか。そういうところを気にする人が多いようです。責任を感じます。
吉田 やはりITについて聞かれることは多いですよね。でも個人的には、ITツールを提供するだけの企業だとは思わないようにしています。ユーザーにとってITの導入は、目的ではなく道具なわけですし。ユーザーが考える目的や価値を最大化するために、マイクロソフトが何をできるのか? という考え方を忘れずにいたいです。
マイクロソフトが何をできるのか?――良くある表現だと「生産性向上」とかになるのかもしれませんが、わたしにとってそれは、「使ってハッピーになってもらう」イメージですね。「ハッピーになるための道筋は分かっている」という人には、その実現をITで強力にサポートし、「まだ見えそうにない」という人には、そこへ至るための道筋も併せて伝えていきたいと思っています。
香坂 一般的に、ツールがあれば生産性は上がるものです。だけど、その生産性の上には創造性などが求められてくるはず。コストダウンや生産性向上だけでなく、実際にユーザーのビジネスがどのように発展したか? を考えていく必要があるはずです。
輪島 マイクロソフト入社して感じるのは、この会社が人とITとを結び付けるのに最も近い位置にいるということです。
ユーザー企業の社内を見ても、サーバのことだけを考えている人というのは、そう多くはないと思います。むしろ多くの人がPC上で触れているWindowsのほうが、社員の働き方に大きな影響を与えていると感じます。それだけに、Windows 7のローンチイベントの際、ある製造業のCIO(最高情報責任者)の方が登壇し、Windows 7への期待を熱っぽく語ってくれましたことには感激しました。
香坂 1日の労働時間が8時間だとして、そのうちPCに向かっている時間は非常に長いものです。垂直統合的な「情報システム」という視点では末端に位置するPC、そしてWindowsですが、社員力を上げるには重要なファクターです。
輪島 わたしは情報基盤を作るなら、全社一斉に取り組むことをオススメします。もしITの利用状況に差があると、低いほうに合わせなければいけませんから。ペーパーレス化された部署と、そうでない部署がミーティングするとなると、結局は紙資料が必要になる、ということもありえます。
自分たちも「BIEBな人」になっていく
――結局、自分自身にとってのBIEBとは?
吉田 自分たちができてもいないことを顧客に提案することはできない。そう考えていますから、まずはわたし自身が社内で「BIEBな人」になるように努め、実感を持ってその価値を提案していきたいですね。
輪島 ITの観点から働き方を変えていく、自分の能力を発揮させるというのは、IT部門の人だけ、業務部門の人だけの取り組みでは不十分ですよね。やはり全社的に取り組んでいかねばなりません。3年先、あるいは5年先にWindowsがどうなっているの? というワクワクするようなビジョンとともに、その考え方を伝えていきたいと思います。
香坂 もう、ビジネスにおけるITの価値を疑う人はいないでしょう。そしてソフトウェアの可能性は、MSの社員は誰もが信じているハズです。わたしの仕事は、マイクロソフト製品ユーザーのサクセスストーリーを通じ、その認識を多くの方々へさらに広げていくことだと認識しています。その結果、「it's everybody's business」が多くのお客様で実現されると信じています。
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