カシオ、“ガラケー”で動作する「Thinケータイ」を参考出展
クラウドコンピューティングEXPOにおいて、カシオ計算機が開発しているThinケータイが参考出展された。ブラウザ依存の問題がなく、またセキュリティ上もメリットがあるという。
5月12日から14日まで開催されるクラウドコンピューティングEXPO内、ユーフィットブースにおいて、カシオ計算機は2005年から開発を継続している「Thinケータイ」を参考出展した。過去、EM・ONEなどスマートフォンでのデモは行っていたが、今回は一般的な携帯電話を利用しての動作デモとなる。
Thinケータイの基本的な仕組みは、過去の記事でも紹介したとおり、サーバ側で稼働するWebアプリケーションの画面をモバイル端末に転送するというもの。端末側では、転送画像の差分表示と、キー入力情報の送信を行うだけで、演算はしない。従来からカシオでは、「一般的なケータイに搭載されたフルブラウザによるWebアクセスに対し、Thinケータイでは10倍程度の表示速度になる」と説明していた。
とはいえ昨今、高性能なスマートフォンの普及が著しく、グループウェアなどのWebアプリケーションもスマートフォンへの対応が進んでいる。ユーザーがその気になれば、PC版のWebアプリケーションにスマートフォンからアクセスし、操作できるのが現状だ。
カシオ 研究開発センターの冨田高弘氏は、Thinケータイのメリットを「携帯電話の内蔵ブラウザに依存する表示問題がないこと、ローカルにデータを持たないため、情報漏えいの心配がないこと」と話す。一部のWebサービスには、「PC以外からのアクセスに対してはモバイル対応画面を表示させ、かつ閲覧のために課金する」という仕組みを持つものもあるが、Thinケータイを利用すればPC版の画面のまま、利用できる。
カシオとしては(ユーフィットのような)ASP、SaaSベンダーと協業の可能性を探りつつ、事業化を図る考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.