AppleのiPhone SDK規約変更、モバイル広告に「人工的な障壁」とGoogleが批判
Appleがモバイル広告に関連するデベロッパー規約を変更。「iPhoneアプリ開発者の広告収入を減らす恐れがある」とGoogle傘下のモバイル広告企業AdMobが懸念を示している。
Appleはモバイル広告ビジネスに人工的な競争障壁を作り出している――Google傘下のモバイル広告企業AdMobが、このような懸念を示している。
Appleは新型iPhoneを発表した6月7日に、iPhone SDKの規約を変更したと報じられている。新たな規約は、アプリ開発者がiPhoneユーザーのデータ(デバイスIDや位置情報など)を収集して広告配信に利用することを認めているが、「モバイル広告サービスを主たる業とする独立した広告サービスプロバイダー」にデータを提供する場合に限られるという。さらにAppleによると、「例えば、Apple以外のモバイル機器、モバイルOS、開発環境を開発・配布する企業の所有下にある、あるいは関連会社である広告サービスプロバイダーは独立しているとは認められない」。つまり、Googleの子会社であるAdMobは「独立した広告サービスプロバイダー」とは認められず、iPhoneのユーザーデータを利用できないことになる。一部の業界関係者は、規約変更はAdMobの締め出しを狙ったものではないかと指摘してる。
AdMobのオマル・ハモイCEOは6月9日付の自身のブログでこの件を取り上げ、「アプリ開発者がiPhoneでAdMobとGoogleの広告ソリューションを使えなくなる」「数万の開発者を支えている収入を減らす――あるいはなくす――恐れがある」と指摘している。無料・低価格アプリは広告収入によって支えられているため、ユーザーにとってもよくないと主張している。
「この変更はユーザーにとっても開発者にとっても最大の利益にはならない。技術革新の歴史において、競争が最高の結果を生み出すのは明らかだ。人工的な競争障壁は、ユーザーにも開発者にもダメージをもたらし、長期的には技術の進歩を停滞させる」(ハモイ氏)
ハモイ氏は、Appleと話をして、この件に関する懸念を伝えるつもりだと述べている。
GoogleがAndroidでモバイル市場に参入して以来、AppleとGoogleの対立は強まっている。Appleは間もなく、AdMobと競合するモバイル広告ソリューション「iAd」を立ち上げる。
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