日本HP、仮想デスクトップ向けSANストレージソリューションを発表
日本HPは、仮想デスクトップ環境のインフラ向けSANストレージと、1000ユーザー環境でのサーバやストレージなどの推奨構成を発表した。
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月20日、仮想デスクトップ環境のインフラ構築の支援を目的としたSANストレージ「HP StorageWorks P4800 G2 63TB SAS BladeSystem SANソリューション(P4800 VDI ソリューション)」と、仮想デスクトップの導入で推奨される機器やソフトウェアの構成をまとめた「HP VDIリファレンス・アーキテクチャー with P4800」を発表した。
P4800 VDI ソリューションは、ブレードサーバ「HP P4000 sb G6」(4台)、拡張ディスクシステム「HP StorageWorks Modular Disk System 600 JBOD」(2台)、3G SASスイッチ(2台)などで構成される。ストレージ容量は63テラバイト(450GバイトB SASディスク140個)。
同社が4月にリリースした「HP P4000 G2 SAN」で提供するソフトウェアの機能を仮想デスクトップ環境向けに最適化したのが特徴という。ユーザーは、ストレージのクラスタ化や筐体レベルで冗長構成をとるネットワークRAID、ストレージのリソースを動的に割り当てるシンプロビジョニング、スナップショット、障害対応を強化するリモートコピーといった機能を標準で利用できるという。
HP VDIリファレンス・アーキテクチャー with P4800は、1000ユーザーの仮想デスクトップにおいて推奨されるサーバ、ストレージ、ソフトウェアの構成をまとめたもの。P4800 VDI ソリューションをベースとして、仮想デスクトップおよびセッションブローカー、管理用にはブレードサーバ「HP ProLiant BL465c G7」、クライアント端末には「HP ThinClient t5325」、エンクロージャーには「HP c7000 エンクロージャー」、仮想化ソフトウェアには「VMware View」などを用いる構成である。
新製品を提供する背景について、クライアントソリューション本部長の九嶋俊一氏は、「仮想デスクトップインフラが抱える問題点として、運用開始後のサイジングに柔軟性が乏しく、また、冗長構成を考慮した場合にコストが割高になるといった課題がある」と説明した。同氏によれば、販売数量の多い製品をベースに仮想デスクトップに適した構成にし、可用性やサイジングの柔軟性を実現する機能を取り入れることで、これらの課題に対処したという。
P4800 VDI ソリューションの販売価格は2940万円。HP VDIリファレンス・アーキテクチャーは、1000ユーザー環境での参考価格が約1億3490万円(1クライアント当たり13万4907円)としている。
同社は新製品と併せて、HP P4000 G2 SANおよびバックアップ製品「D2D Backup System」の拡充、バックアップアセスメントサービスも発表した。
HP P4000 G2 SANでは、12ディスク搭載のP4500シリーズに600Gバイト SASディスクや2テラバイト MDL SASディスクを搭載したモデルを追加するほか、10GbE(SEP+)にアップグレードできる追加キットを提供する。D2D Backup Systemでは、全機種に重複排除機能を搭載し、中〜大規模向けに10GbEと8Gbit FCを搭載する「D2D 4312 Backup System」を追加した。バックアップアセスメントサービスでは、ユーザーが20種類の設問に回答し、3時間程度のワークショップを受講することで、ユーザーのバックアップに必要なハードウェア構成を同社が提示する。
ストレージワークス事業本部の宮坂美樹氏は、「仮想デスクトップを安全に運用していく上では、バックアップも重要。10GbEへの対応や重複排除の提供を通じて、ユーザーを支援したい」とコメントしている。
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