車載インフォテインメントにMeeGo採用の機運高まる
オープンで標準的なプラットフォームで車載インフォテインメントを構築したいという自動車業界の共通化した願いは、GENIVI AllianceがMeeGoを採用したことで、大きく前進しつつある。
The Linux Foundationは米国時間の7月23日、GENIVI Allianceが、車載インフォテインメント(IVI)の次期リファレンスリリースのソフトウェア基盤として「MeeGo」を選択したことを明らかにした。
GENIVI Allianceは、独BMW、米General Motors(GM)、仏PSA Peugeot Citroenといった自動車メーカーのほか、自動車部品メーカーの米Delphi、伊Magneti Marelli、米Visteon、そして英ARM、米Intelといったプロセッサベンダーがけん引する非営利の業界団体。その狙いはオープンなリファレンスプラットフォームの採用を促進することにある。
IVIは、ナビゲーション、エンターテインメント、位置情報サービスのほか、各種デバイスへの接続、カーネットワークやブロードバンドへの接続など、高機能化が進む中で開発の期間とコストがふくれあがっている。GENIVI Allianceはオープンなシステムを標準的なプラットフォームとすることで、製品の市場投入までの時間の短縮とTCO(総所有コスト)の低減を促進したい考えだ。GENIVI Allianceは急速に拡大しつつあり、直近では、韓国の自動車メーカーであるヒュンダイ自動車も同団体に加わるなど、業界としてこうした標準プラットフォームへの期待は大きい。
Intelはこの市場で、Atomプロセッサを活用したいとかねてから考えており、そのためのソフトウェアスタックとして、当初はMoblinを推していたが、MoblinがNokiaの「Maemo」と統合して生まれた「MeeGo」がこれを引き継いだ形となっている。ARMプラットフォームもサポートしているMeeGoが採用されたことで、同団体に2010年1月に加わったARMとの戦いがここでも繰り広げられることになる。
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