基幹システムのクラウド化を支援――NEC、自社のシステム改革に基づいたコンサルサービス
NECは自社システムのクラウド化で培ったノウハウを基に、企業の情報システムのクラウド化を支援するコンサルティングサービス2種類の提供を開始した。
NECは7月28日、企業の情報システムにおけるクラウドサービスの適用を分析するコンサルティングサービス「クラウド化クイックアセスメント」および「クラウド化企画サービス」の提供を開始した。
クラウド化クイックアセスメントは、NEC独自のツールを用いて、業務プロセスや情報システム、IT基盤、IT関連組織/ガバナンスなどの標準化の度合いを診断し、クラウド化できる情報システムやIT基盤の領域、効果や課題、推進計画案などを最短1カ月で提示する。
企業の方針や文化、事業を踏まえた標準化の方針、クラウドサービス適用のシステムマップ、課題解決に向けた活動のロードマップを作成する。どの情報システムをクラウド化できるか、そのための課題は何かを把握したい企業を対象としている。50万円(税別)から。
クラウド化企画サービスは、事業や業務パターンの分類、基幹システムなどを分析し、業務の標準化やシステムの統合が可能な領域をサブシステムのレベルで検討する。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)や個別対応といったクラウド化の実現形態、標準化の課題、実行計画を提示する。
クラウド化が適用できる業務領域に対して、共同センター型や個別対応型などの実現方式を設定する。クラウド化に向けた業務やシステムの統合、標準化の方向性や施策も提示し、投資効果の算定、クラウド化への目的に向けた実行計画を最短2カ月で策定する。基幹システムの再構築を検討している企業向けのサービスで、1000万円(税別)から。
両サービスは、NECが進めている基幹システムのクラウド化で得たノウハウを取り入れている。専門コンサルタント20人体制で2サービスの提供を開始する。今後3年間で100社に販売する計画だ。
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