仮想化環境へのストレージ再構築に求められる運用管理ソフトの基準とは?:Open Middleware実践講座
コスト削減や運用負荷低減を目的に、ストレージの仮想化が進みつつあります。そこで課題となるのがストレージの状態を正確に把握することですが、解決のポイントは「仮想環境を可視化」することです。
(このコンテンツは日立「Open Middleware Report vol.53」をもとに構成しています)
仮想環境を可視化し、運用管理を最適化
仮想化によるサーバ統合を実践した後さらなるコスト削減や運用負荷低減を求め、同じく仮想化技術を用いてストレージの集約や統合を実行しているケースが多くあります。ストレージを仮想化することで、利用効率を向上しつつ、必要最小限の投資でビジネス状況の変化に合わせたボリュームの追加や構成変更などの拡張が柔軟に行えるようになります。これらを実現するにはストレージの状態を正確に把握することが求められますが、この課題は仮想環境を可視化する運用管理ソフトウェアを利用することで解決できます。
また仮想環境の運用では、システムの増強が容易な分、データ量およびアクセス量も増加しがちです。そのため業務のサービスレベルを維持するにはストレージだけでなく、業務が稼働しているサーバも含めた性能と容量の管理が必要です。日立では、ストレージ管理ソフトウェアとして「Hitachi Command Suite 7(HCS7)」を提供しており、ストレージを一元管理するとともに、サービスレベルの維持と安定稼働を支援しています。ストレージのキャパシティプランニングの際も容量の追加などを判断するしきい値を設定して運用することで、予防的な施策が取れるだけでなく、予測・トレンド分析にも役立ちます。
クラウド環境構築におけるストレージとして、日立ではディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform」や「Hitachi Adaptable Modular Storage」を提供しています。HCS7はそれらをサポートしており、クラウド環境内に混在する機種の異なる日立ディスクアレイシステムを共通の操作で運用管理できるので、管理コストの削減に有効です。
このように、まずシステム全体の状態を可視化できることが仮想化環境の運用管理ソフトに求められる基準と言えます。運用管理ソフトを活用することで、システムのスローダウンを予防し、リスク対策も容易になるだけでなく、人的コストの削減や機器の追加など設備投資を行うタイミングを適切に判断できるでしょう。
関連記事
- SaaSで始めるコラボレーション――基盤を支えるデータセンターもポイントに
グループウェアの全社展開というニーズがありながらも、さまざまな不安から躊躇している企業がある中、日立はセキュアな協働作業環境を提供するSaaS型グループウェアのサービスを開始している。そのメリットと安全性の裏側を探る。 - グループウェアはクラウド活用でどう変わるか
クラウドコンピューティングが企業システムの効率化を支援することは、すでに多くの人が知るところとなった。ここでは、クラウドによってさらに活用の幅が広がると思われる「グループウェア」について、その可能性を考えてみることにする。 - 仮想化環境でのバックアップ時間を短縮するには?
仮想化環境におけるバックアップデータは増大する傾向にあり、作業時間もネットワークへの負荷も大きくなりがちです。この問題を解決する方法の1つが「重複排除」です。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.