社員は原則フリーアドレス、働き方にこだわる日本HPの新社屋を見た(2/2 ページ)
日本HPは東京都江東区に建設した新本社での業務を本格的に開始した。勤務する約5000人の社員のうち、8割以上が自分専用のデスクを持たない“フリーアドレス”という徹底ぶりだ。
その他の設備も最先端
業務スペース以外の社内の設備も最先端のものを採用したのがHP Garage Tokyoの特徴だ。
例えば、玄関右手にあるショールームの「ソリューションセンター」は、多数のラックを構え、CPUでは最大3500コア、ストレージ容量で2200テラバイトという規模。ラックスペースの床部分は免震構造を採用し、ボールベアリングの免震柱、オイルダンパー、スプリング緩衝の3つの免震装置で震度6クラスの揺れにも対処できるようにしている。
取材時は旧・市ヶ谷本社から設備を移転している最中だったが、同社では新センターを7月4日に開設する予定。8月には顧客企業やパートナー企業などの幹部との商談が可能な「エグゼクティブ ブリーフィング ルーム」も開設するという。
8階のレストランやカフェテリアのフロアでも、社員がスムーズに施設を利用できる工夫が凝らされている。エレベータ付近にはデジタルサイネージを設置して、店舗ごとのその日おすすめメニューを紹介。各店舗での決済には電子マネーを利用する。座席は執務フロアと同様にフリーアドレスで業務ができるようになっている。このほかに、急な出張でもすぐに準備ができるよう、JRの切符を自動発行する機械も置かれている。
同社の小出伸一社長は、HP Garage Tokyoについて、これまで分散していた拠点の社員が1つのチームになって活躍できる場を目指したと語る。「従来の企業は効率性を追求した階層型の組織構造であり、オフィスがバラバラでも問題は少なかった。これからは一人ひとりの社員が柔軟に働ける“ネットワーク”型の業務スタイルが大事。それを実現したかった」(小出氏)
関連記事
- 日本HP、大規模な新社屋を建設へ
日本ヒューレット・パッカードは5月19日、新社屋となる自社ビルを建設すると発表した。 - 日本HP、SaaS型のWeb会議サービスを提供へ
日本HPは、HPグループ全社の約35万人の社員が利用しているWeb会議システムをSaaSとして販売する。 - 日本HP、全社員に自宅就業を認める制度を導入
日本HPは、全社員に自宅就業を認める「フレックスワークプレイス制度」を導入した。子育てや介護などの理由以外でも利用でき、社員のさまざまな働き方を認めるものという。 - 「人に効く」――これがHP流の働き方
自由度の高い働き方とオフィスコストの削減が実現できるとして注目される「フリーアドレス」。フリーアドレスの先端を行くHPの働き方とはいかに?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.