IT調査会社のIDC Japanは3月6日、国内のハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)市場に関する調査結果を発表した。2016年までの年間成長率は、サーバ、ストレージともにマイナス傾向にあるという。
HPCサーバについて、2012年の市場規模は400億円と予測。前年の565億円と比べてマイナス29.1%という大幅な減少となった。2011年は富士通が独立行政法人理化学研究所に出荷したスーパーコンピュータ「京」のなどの大型案件があったため、その反動が原因だとしている。
HPCサーバ市場の2011年〜2016年の年間平均成長率(CAGR)は、マイナス16.1%になると見ている。ただし、価格対性能比に優れたx86サーバ市場に関しては、プラス4.7%で推移するという。
HPCストレージについては、2012年の市場規模を88億円と予測。総ストレージ容量は155ペタバイトで、従来の集中型ストレージ環境から分散ファイルシステムを用いた環境にシフトしていくという。
HPCストレージ市場の2011年〜2016年のCAGRはマイナス3.3%。総容量は2016年に531ペタバイトになるとした。
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