オリックス・バファローズや中小企業庁が取り組む「ソーシャル革命」とは?(2/2 ページ)
salesforce.comのマーク・ベニオフ氏が来日し、オリックス・バファローズや中小企業庁などのゲストとともに「カスタマーカンパニー」(顧客中心企業)への変革について語った。
オリックス・バファローズが取り組むソーシャルコミュニケーション
もう1人のゲストとして紹介されたのが、プロ野球球団オリックス・バファローズを運営するオリックス野球クラブの湊通夫氏(取締役 事業本部長 兼 企画事業部長)。湊氏によると、バファローズはファン1人1人の興味を中心とした球団運営の取り組みを進めているという。
同球団が運営するWebサイト「BsCLUB」は、selesforce.comのコラボレーションツール「Chatter」をベースに開発した会員制のファンクラブサイト。SNS風のユーザーインタフェースを採用し、会員同士で交流できるほか、選手をフォローして新着情報を受け取ったりコメントしたりできる。また、同サイトにスマートフォンからアクセスすれば、位置情報を利用して球場への「チェックイン情報」を投稿することも可能だ。
このサイトのユニークな点の1つは、運営側がコミュニティー管理ツールを使ってユーザーの興味関心分野を可視化できることだという。会員登録時に入力したユーザーデータのほか、BsCLUB上での投稿履歴、グッズ購入履歴、チェックイン情報に基づく来場履歴などを把握できる。これに基づき、どの選手にファンが多いかや、どのイベントを実施した際にグッズの売れ行きが伸びたかなどをグラフ化し、ファン向け施策の企画などに役立てているという。
さらに、同球団はこうして得られた会員の興味関心情報に基づき、ファン1人1人に合わせた情報発信にも取り組んでいるという。
「例えば、野球の技術面に興味のあるファンに対してはセイバーメトリクスのような技術分析データを発信し、イベントに興味があるファンならイベント情報を中心に発信することができる。こうした取り組みを通じ、ファンに『自分の方を向いてくれている』と思ってもらうことが大切だ」と湊氏は話している。
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