iPhone/iPadやAndroidのOfficeにみるマルチプラットフォーム化の行方:Enterprise IT Kaleidoscope(4/4 ページ)
Officeといえば、Windows PCのキラーアプリとみられてきたが、Microsoftはモバイル版Officeの高機能化を進めている。iPhone、iPadやAndroidでの現状と今後の展開を占う。
Officeでは現在、WordやExcel、PowerPoint、Outlookなどが主要アプリケーションとして提供されている(OneNote、Publisher、Accessなどもあるが)。しかし、これらのアプリケーションを越えた新しいOfficeアプリケーションがいまだに出てきていない。
数年前には、新しいジャンルのOfficeアプリケーションとしてOneNoteが紹介されていたものの、実際に活用しているユーザーはあまりいない状況だ。そのためか2014年4月に、OneNoteが全てのプラットフォームに無償提供されることになった。無償版では幾つか機能制限があるものの、実用上の不便さはあまりない。
このままでは「古いOfficeの機能で十分」だとして、新しいOfficeに乗り換えるユーザーが少なくなっていく。Office 365などのサブスクリプションモデルは、その問題に対する答えの1つなのだろう。「サブスクリプションが切れたら使えなくなるので、ずっと使い続けてもらえる可能性が高まる」というのがMicrosoftの狙いとみられる。
しかしOffice自体に魅力がなくなれば、他社のサービスやOfficeの代替ソフトへの乗り換えが起こる可能性もあり得る。Microsoftは、このあたりも考えて新しいアプリケーションやサービスの開発を進めている。
次世代のOfficeではコンテンツ作成ツールの「Sway」という新しいサービスが提供される見込みだ。ただ、これをビジネスで利用しようとなると、将来のキラーサービスになるとは思いづらい。やはり、ExcelやPowerPointを越えるビジネス向けの新しいジャンルのアプリケーション/サービスが必要とされてくるだろう。
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