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野村證券、“脱メインフレーム”へ 基幹系システムをASPに
野村證券は、ホールセールバックオフィスシステムをNRIが提供するASPサービスに移行。メインフレーム上で稼働する証券基幹系システムを完全に停止させた。
大手金融機関で“脱メインフレーム”の流れが進んでいる。野村證券がホールセール業務(大企業や官公庁向け業務)のバックオフィスシステムを野村総合研究所(NRI)のASPサービス「I-STAR」に移行した。
「I-STAR」はホールセール証券ビジネスに特化したソリューションで、頻繁に変更される法制度や決済制度への対応、多通貨会計処理などのグローバル対応が特長。100社以上の金融機関に導入実績があるという。
金融業界の基幹系システムは、巨大な処理能力と高い信頼性が要求されることからメインフレームを利用するケースが主流であるが、野村證券は、2013年1月にもリテール(個人)向けのバックオフィスシステムをメインフレームからNRIのSaaS型ソリューション「THE STAR」に移行させている。今回の「I-STAR」導入で、同社のメインフレーム上で稼働する証券基幹系システムは完全に停止した。
メインフレームからの移行にかかった期間は4年。今回の導入によって、ITコストの削減とともに「業務の全面的な構造改革への道筋をつけることができた」としている。
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