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“物言う投資家”アイカーン氏、楽天も出資のUber競合Lyftに1億ドル
Uberと競合する米配車サービスのLyftに、“物言う投資家”として知られるカール・アイカーン氏が1億ドルを出資した。Lyftは3月には楽天から3億ドル調達している。
米配車サービスのLyftは5月15日(現地時間)、1億5000万ドルの増資を発表した。その中の1億ドルは、Icahn Enterprisesからの出資という。
Icahn Enterprisesは、AppleやeBayの経営に提言する“物言う投資家”として知られるカール・アイカーン氏の投資会社。同社は幹部のジョナサン・クリストドロ氏を取締役としてLyftに送り込む。クリストドロ氏は米eBayの取締役も務めている。eBayはアイカーン氏の提言を受け、先ごろPayPalをスピンオフした。
Uberは今回の増資で、米国市場へのフォーカスとドライバーと乗客への最高の体験の提供を続けるとしている。
アイカーン氏は発表文で「Lyftに出資できて幸福だ。ライドシェアリングは交通インフラの基本要素になるだろう」と語った。
Lyftは2012年創業のカリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置く非公開企業。米国内の約65都市でサービスを展開しているが、まだ米国外には進出していない。同社は3月に日本の楽天から3億ドルを調達し、米国外への進出を図るとしていた。
Lyftと競合する米Uberは昨年12月、アジア進出のために12億ドルの増資を行っている(出資者は不明)。Uberの主な出資者は、著名投資家クリス・サッカ氏率いるLowercase Capital、米Google、Benchmark Capitalなどだ。
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