公開迫るWindows 10、アップグレード開始後どうなる?:Enterprise IT Kaleidoscope(3/4 ページ)
「Insider Program」によるWindows 10のビルドの更新が立て続けに行われ、7月29日のアップグレードのリリースに向けた準備が本格化している。アップグレード開始後の様子を占ってみたい。
企業向けWindows 10の提供は?
テリー・マイヤーソン氏のブログによれば、PCメーカーへのWindows 10の提供は、近日中(7月29日より前に)に行われる予定だ。このためPCメーカーによっては、Windows 10をプリインストールしたPCを8月中に発売する可能性がある。またWindows 10 EnterpriseやEducationなどは、8月1日からMicrosoftの「Volume Licensing Service Center」からダウンロードできるようになる。
なお、現在Get Windows 10アプリが表示されているPCは、Windows 7/8.1 Home、ドメインに参加していないProなどのバージョンやエディションで、企業などドメインに参加しているWindows 7/8.1 ProやEnterprise向けのアップグレードの提供は、Get Windows 10アプリとは別になる。Enterprise版は、上記のVolume Licensing Service Centerからダウンロードし、企業で個別にアップグレード作業をする。
本稿執筆時点でまだ明確にされていないのが、Pro版のアップグレードだ。ドメイン参加のWindows 7/8.1 ProにはGet Windows 10アプリによるアップグレードの案内などが表示されていない。しかし、Windows 10への無償アップグレードの権利は有している。また、Enterprise版のようにVolume Licensing Service Centerにもアクセスできない。どのようなアップグレード方法になるのか注目しておいた方がいいだろう。
Microsoftは、今後こうした点を紹介していくという。ドメイン参加のPro版のアップグレードは、一般向けアップグレードの提供開始後に、オンラインもしくはISO(イメージ)ファイルで提供されるようだ。ただし、7月29日よりももう少し後になるかもしれない。
企業向けのWindows 10に関しては、Windows Update for Businessの機能やLong Term Servicing Branchの契約などがどうなるのかについても、Microsoftから明確な説明がない。恐らく明らかにされるのは7月後半になると予想され、企業でWindows 10を本格的に利用するようになるのは、2016年に入ってからだと予想される。年内はIT管理者や開発者の先行導入によるテストが中心になりそうだ。
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