第7回 従業員以外で必要となるマイナンバーを把握する:税理士目線で提案する「中小企業のマイナンバー対策」(3/3 ページ)
中小企業のマイナンバー対応は「士業への委託と連携+できるだけ持たないを考えた実務」がキモになる。7回目は、従業員以外に誰のマイナンバーを取り扱うかを整理する。
その他の税務関係書類とマイナンバー
その他、マイナンバーが必要となる申告書類としては、個人の消費税申告書、贈与税申告書、相続税申告書があります。これらの申告書類にマイナンバーの記載が必要となる時期および誰のマイナンバーが必要となるのかを整理すると以下のようになります。
マイナンバー記載時期 | 必要となるマイナンバー | |
---|---|---|
消費税申告書(個人) | 平成28年分(平成29年1月1日〜平成29年3月31日提出分) ただし、課税期間の特例を適用している場合は平成28年中の提出もあり | 納税者本人 |
贈与税申告書 | 平成28年分(平成29年2月16日〜平成29年3月15日提出分) | 納税者本人 |
相続税申告書 | 平成28年1月1日以降相続開始で平成28年11月1日までに提出する分 | 被相続人および相続人 |
これらの申告書類は、納税者などから依頼を受けて税理士が作成することが多い書類です。特に、個人の消費税申告書は所得税申告書とあわせて税理士が請け負うことになりますので、所得税申告書とあわせて納税者本人のマイナンバーを取得するようにすればよいことになります。ただし、消費税申告書で課税期間の特例を適用し、3カ月とか6カ月の課税期間で申告する場合は、平成28年中にマイナンバーが必要となりますので収集時期については注意が必要です。
相続税の申告はスポットでの業務となりますので、実際に相続税の申告を請け負うことが決まった時点から申告書作成までの間に必要なマイナンバーを税理士が収集することになります。
贈与税の場合は連年贈与など毎年同じ納税者の贈与税を請け負う場合もあれば、スポットでその年だけ請け負うケースもあるので、マイナンバーの収集や保管については、それぞれのケースに応じて取り扱いを検討しなければなりません。
以上の個人関連の申告書の他に、マイナンバーが必要となる税務関係書類として、所得税や消費税関連の申請・届出書があります。これらの書類では、所得税や消費税の納税者本人のマイナンバーが必要となります(青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書では専従者のマイナンバーも必要となります)。
所得税や消費税について税理士が請け負っている場合、これらの税目にかかわる申請・届出が必要となるケースでも、税理士が申請・届出書を作成することになります。これらの申請・届出書については平成28年(2016年)中(所得税関連の申請・届出書の提出期限は3月15日までなど)に必要となるケースもあることから、税理士が所得税や消費税の申告で必要となるマイナンバーをいつ、どのように収集するのか、前項で確認した内容も考慮して決めておく必要があります。
今回は、税務で従業員以外のマイナンバーが必要となるケースをみてきました。次回は、これらのマイナンバーの収集から保管・利用・廃棄など、どのように取り扱うことになるのかみていきましょう。
(続く)
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