「スクショ貼り付けでTwitter投稿」が危険な理由:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
本連載をまとめた「デジタルの作法」がベストセラーになりました。この記事に“証拠のスクショ”もあります――と、まずは記事をご確認くださいませ。
スクリーンショットでの情報流通が危険な理由
それでも私は、スクリーンショットでの情報流通はやめるべきだと思います。その理由は上記の大人の事情ではなく、改ざんが容易だからです。そう、私の本がベストセラーになっているかのような記事なんて、スクリーンショット上は簡単に作れてしまうのです。
これは若者だけの話ではありません。情報の受け手として振り返ると、皆さまもそれっぽく見える情報はなんとなく信じてしまうのではないでしょうか。単なる文字じゃなく、それっぽい「画像」が送られてくるとそれだけで信ぴょう性を判断してしまいがちです。その画像を作ることが、意外と簡単であることは一度「だます側」に回ってみないと分かりにくいかもしれません。
自分のメモとして、もしくはごく親しい間柄とのチャットで画像を使い、情報を伝達するのは問題ありません。しかし、不特定多数が存在するグループチャットや、Twitter上での投稿、特にRTが大量に付いている“スクリーンショット”は、RTを行う前に深呼吸して「改ざんされたものなんじゃないの?」といったん疑ってかかるくらいがちょうどいいかと思います。
逆に、スクリーンショットを投稿したい場合、最低でも「URL」を入れておくといいでしょう。というより、URLと記事タイトルだけ投稿するということで目的は充足できるはずです。「でも画像を貼らないと誰もクリックしてくれないじゃない!」という声も聞こえてきそうですね。それはもしかしたら、このコラムを書いている筆者の力不足なのかもしれません。ごめんなさい。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。みなさんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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