“あこがれの名機”で振り返る、東芝ノートPC 30年の歴史:Librettoにときめいたあの日(2/3 ページ)
ノートPC事業30周年の節目の年から1年、「PC事業の譲渡」という大きな決断を下した東芝。“世界初のラップトップ”をうたうノートPCを皮切りに、数々の名機を生み出した同社の“PC開発の歩み”を振り返る。
当時、DynaBookがノートPCとしてどれだけ画期的だったのかを知るには、競合製品と比較してみるのが早い。例えば、同年にApple Computer(当時)からリリースされた「Macintosh Portable」がよく引き合いに出されるが、製品名に“可搬性”をうたいながらも7.2キロと非常に重く、気軽に持ち運べるものではなかった。実用面に考慮して大容量バッテリーを搭載したことが原因の1つだが、このあたりの設計思想の違いは興味深い。
時代の先駆者であり続けたDynaBook
その後、国内外に向けてこのDynaBookの後継機にあたる製品ラッシュが続く中、1990年に登場した「T3200SXC」は初の「(TFT)カラー液晶」を搭載していた点で画期的だった。640×480のVGA表示に512色の同時発色が可能で、当時まだ階調式のモノクロ液晶が中心だったノートPCの世界では非常に大きなトピックだった。
1992年には国内向けに、やはり512色のカラー液晶を搭載した「DynaBook 486-XS」が登場している。ちょうど2製品リリースの間にあたる1991年には、当時、既に国民機として認知されていたNECのPC-9801シリーズにカラー液晶を搭載したノートPCの「PC-9801NC」が発表されて話題になっている。ただし同時発色数は最大16色で値段も非常に高く、性能面と値段のバランスでIBM PC互換機が国民機を大きく凌駕しつつある前触れだったのかもしれない。
この後、さらに薄型軽量化を目指したマシンや、CD/DVDドライブ搭載機など積極的に新機能を取り込んだDynaBookの後継機が多数登場する中、東芝の記念すべきマシンとして登場したのが「Libretto」シリーズと「DynaBook SS3000」だ。
1996年にリリースされた最初の「Libretto 20」は、840グラムの超小型軽量ボディながらWindows 95が動くということで大きな注目を集めた。これより小型軽量のIBM PCマシンとしては、前年の1995年にIBMから「PalmTop PC 110」という製品が「ウルトラマンPC」の名称でリリースされていたが、小さすぎて実用的ではなかったことと、スペックの関係で直接Windows 95を動かす手段がなかったことから、「比較的実用に使える超小型PC」という市場を開拓したのはLibrettoだったいえるだろう。
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