Microsoftの法律顧問、フロッピーとSurfaceを並べ「法律も変わるべき」と主張
Appleが米連邦地裁からのFBI協力要請を拒否した件に関連する連邦下院司法委員会の公聴会で、Microsoftの法務担当上級副社長、ブラッド・スミス氏がIBMが1986年に発売したフロッピーを使うPCや更に古い“加算器”を持ちだして、関連する連邦法がいかに時代遅れで、改正する必要があるかを説明した。
「米国の法律は古く時代遅れになっています。電子通信プライバシー保護法(ECPA)が成立したのは、ロナルド・レーガンが大統領で、マーク・ザッカーバーグは2歳の時です」──。米Microsoftの法務担当上級副社長、ブラッド・スミス氏は25日、米AppleがFBIへの例外的な協力を拒否したことに関連する連邦下院司法委員会の公聴会でこう語り、米政府はプライバシー法を時代に合わせて変えるべきだと主張した。
ECPAは1986年に成立して以来、ほとんど改定されておらず、Microsoftや米Googleは2010年から法改正を政府に訴え続けている。
スミス氏は公聴会で、1986年に発売された米IBMのラップトップコンピュータ「PC Convertible」と自社の最新タブレット「Surface Pro」を並べて「この30年間でテクノロジーはめざましく発展しました。だが、この分野で、法律はほとんど変わっていません」と語り、「現在販売されているSurfaceはフロッピーディスクの35万5000倍のストレージを内蔵しています。テクノロジーは前進しているのです。法律も追いつくべきです」と主張した。
同氏はまた、米Appleが連邦地裁からのFBIへの協力要請を拒否している件について、「心からAppleを支持し、来週に法廷助言書を提出するつもりです」と語った。その際、今度はFBIがiPhoneのロック解除要請の拠り所としている「All Writs Act」(全令状法)が成立した1789年がいかに昔かを示すために、古めかしい加算器を提示し、「裁判所が21世紀のテクノロジーの問題を解決するために加算器の時代に制定された法律を持ち出すのが適切だとは思えません」と語った。
公聴会は以下のYouTubeで視聴できる。スミス氏のECPAに関する発言は2時間26分52秒くらいから、Apple擁護発言は3時間5分17秒くらいからだ。
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