MicrosoftとGoogle、世界での法的争いを終了すると発表
2014年2月にCEOに就任したサティア・ナデラCEOの下でマルチプラットフォーム化を推進するMicrosoftと、サンダー・ピチャイCEO率いるGoogleが、世界での訴訟をすべて取り下げ、今後は「製品で精力的に競い合う」と発表した。
米Microsoftと米Googleが、世界での法的争いを終了することで合意に達した──。両社が発表した声明文に基いて米Re/codeが4月22日(現地時間)に報じた。
Microsoftは声明文で「当社の法的優先度の変化を反映し、Googleに対する提訴を取り下げることで合意した。今後も事業と顧客のための競争は精力的に続ける」と語った。
Googleも「両社は精力的に競い合うが、法的にではなく、製品の品質で競いたい。その結果、特許契約に続けて、われわれはお互いへの訴訟を取り下げることで合意に達した」という声明文を発表した。
両社はこれまで、人材引き抜きや特許侵害などの係争を繰り広げてきた。
Microsoftは、Android端末メーカーの特許侵害での提訴、他社のGoogle提訴への協力も行っている。
だが、両社は2015年9月30日、米国と欧州で係争中だったすべての特許訴訟を取り下げることで合意したと発表している。
Microsoftの前CEO、スティーブ・バルマー氏は、競合企業をあからさまに攻撃することが多かったが、2014年2月に同社CEOに就任したサティア・ナデラ氏はサービスのマルチプラットフォーム化を推進し、Android向けOfficeやSkypeを提供している。
Googleは今月、欧州委員会から独禁法違反の疑いで異議告知を受けた。Re/codeによると、MicrosoftはこのAndroidに関連する件および、2015年4月の検索事業に関する異議告知とかかわっていないと語った。同社はかつて、Googleの検索市場における独占に反対する業界団体FairSearch.orgに参加していたが、2015年12月に脱退した。
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