社員16万人に「Office 365」を導入する富士通、その狙いは?(2/2 ページ)
富士通がOffice 365ベースの社内情報共有クラウドを全従業員16万人に導入する。社内実践で得た知見を基に、コミュニケーション基盤の拡販を図りたい考えだ。マイクロソフトとの協業も強化するという。
自社運用のノウハウを顧客へ提供、ビジネス規模を拡大
富士通ではワークスタイル改革の社内実践で得た知見を基に、顧客にワークスタイル改革を支援するソリューションを提供している。これまでのべ120万人が導入してきたが、さらなる導入拡大を目指し、マイクロソフトとの連携を強化。企業の経営層に向けたデジタル改革の提案プログラム「デジタルトランスフォーメーション コネクト プログラム」を開始する。
浜松町にある富士通の「Fujitsu Digital Transformation Center」と、品川にある日本マイクロソフトの「Microsoft Technology Center」を相互連携し、企業へのデジタル革新の提案やワークショップの開催などを行っていく。同社のデジタルビジネス・プラットフォーム「MetaArc」と「Office 365」「Azure ADP」を連携させたグローバルコミュニケーション基盤の導入拡大がその狙いだ。
Digital Transformation Centerでは、デザイナーやコンサルタントのファシリテートのもと、最新のICT環境を体感しながら、参加者でアイデアやビジョンをまとめていく。IT部門のほか、人事や総務、業務部門の人間も参加することで、より効果の高い施策に落としこめるという。
「これまでワークスタイル改革系のワークショップを60件ほど行ってきたが、そのうち30件が商談へとつながっている。グローバルコミュニケーション基盤のビジネスは現在300億円弱ほどの規模だが、2018年度までに500億円にまで伸びるよう目指していく」(阪井氏)
今回の協業はマイクロソフトにとってもインパクトが大きいと、日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏は話す。
「Office 365を16万人が導入するのは世界最大級の事例であり、その導入ノウハウをリファレンスモデルとして社外に提供するのはとてもインパクトが大きいことだ。今やワークスタイル改革というのは、経営課題として捉えるべきテーマ。富士通は経営ビジョンの支援も行っており、マイクロソフトの技術を組み合わせ、日本企業のワークスタイル変革をさらに進めていきたい」(平野氏)
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