コレ1枚で分かる「APIエコノミー」:即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)
ビジネスの拡大を目指してAPIを公開する企業やサービスが増えつつある今、「APIエコノミー」の特徴や新たなサービス創生の仕組みなどについて整理しておきましょう。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
APIエコノミーでWIN-WIN
世界479都市(2016年7月現在)で、スマホアプリから配車手配ができるサービスを展開するUberは、他社が作るスマホのアプリにUberへの配車リクエストボタンを追加できる「Uber API」を公開しています。
それを受けて、店舗やプレースポットを検索するFoursquareは、場所を指定しなくても、アプリで取得した位置情報を使ってUberに配車してもらう機能を提供するようになりました。また世界的なホテルチェーンのHyatt Hotels & Resortsは自社のアプリにUberボタンを追加し、Hyattのホテルの滞在客が外出時にHyattのアプリでUberボタンを押せば、別途Uberアプリを立ち上げる必要も、行き先を指定する必要もなく、ホテルまでの車を呼び、利用できる機能を提供しています。
このようにそれぞれのサービスが強みとする機能を互いに利用し合い、「自前」だけでは容易には実現できない価値を生み出そうという取り組みが始まっています。その取り組みを実現するために、自分たちが提供するサービス機能を他のサービスからでもインターネットを介して利用できるようにしたのがAPI(Application Programing Interface)と呼ばれる仕組みです。
APIとは、本来ソフトウェアから別のソフトウェアの機能を呼び出して利用するための方法です。それを今ではインターネットで提供されるサービスから他のサービス機能を利用できる仕組みにまで解釈を広げて使われるようになったのです。
APIを公開する企業にとっては、他社が利用してくれることでサービス提供範囲を広大でき、また新しいお客さまの獲得ができるなど、自社ビジネスの広大につながります。APIを利用する側も、顧客に魅力的な機能を、自分たちで一から開発することなく、すぐに自社サービスに組み込めるようになります。このように、APIを提供し、互いに利用できるようなエコシステムは、「APIエコノミー」と呼ばれています。
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