「macOSをアップデートするな」 そんなウイルス対策ソフトで大丈夫か?:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
65件の脆弱性が修正されていると発表されたmacOS Sierra。早速、OSをアップデートしようと思ったら思わぬ事態に……。
日本時間で2016年9月21日、Macの新しいOS「macOS Sierra」がリリースされました。
Windows 10も、8月に「Windows 10 Anniversary Update」がリリースされ、家庭で利用されるメジャーな2つのOSがさらにモダンな機能を提供するようになりました。私も新OSのリリース当日に1台ずつ持っているWindowsマシンとMacをアップデートし、いまのところ大きなトラブルもなく利用しています。
しかし、今回のmacOS Sierraでは、ちょっと困った事態が起こったのです。今回は、そのてんまつをお話ししようと思います。
多数の脆弱性が修正されたmacOS Sierra
OSのメジャーバージョンアップでは、見た目が変わったり操作方法が変わったりといった“目で見て分かる部分の変化”だけでなく、内部の動作、とりわけ「脆弱性が修正されている」ことも注目したいところです。今回のmacOS Sierraでは、65件の脆弱性が修正されていると発表されました。
これらの脆弱性は、Webブラウザに存在するものは以前のOSでも修正がリリースされており、まだ最新版のOSにしていないという人もぜひ適用していただきたいところです。
ほぼ全てのPC/Macがネットワークに接続されている今、脆弱性が修正されたバージョンについては、法人利用で何らかの指示がない限りは「まずは適用する」をお勧めしたいと私は考えています。今ではmacOSのアップデートも、Windows 10のアップデートも無料ですからね(Windows 10自体へのアップグレードは無料期間が終わりましたが)。
セキュリティ対策ソフトが「OSアップデートを控えろ」とは……
ところが今回、ちょっと混乱する事態が起こりました。それは、私が利用しているセキュリティ対策ソフトが「macOS Sierra 10.12 へのバージョンアップをお控えくださいますようお願いします」とコメントしているのです(2016年9月26日時点)。私はレビュー目的で、さまざまなセキュリティ対策ソフトを1年ごとに入れ替えています。2016年はESETを利用し、過不足ない機能を体験しているところでした。
しかし、そのESETが今回のmacOSアップデートに追従できていないことがアップデート直前に分かり、しばし悩むことになりました。果たしてOS自体のアップグレードによる「脆弱性が多数修正される」というメリットを取るべきか、セキュリティ総合対策ソフトによる「OSではカバーしきれない安全、安心」を取るべきか――。難しい2択を突きつけられてしまったのです。
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