やめようとしたら「あれ?」――サービス契約にモノ申す!:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
最近は「買う」から「利用する」という形態が広がりつつありますが、利用者側にその認識があまり広まってはいないようです。筆者が気を付けていることとは?
「いつでもやめられる契約」か、それとも「縛りアリの契約」か
サブスクリプションモデルの中で最も注意しなければならないのは、「縛り」を伴う契約だと思います。主に携帯電話事業者との契約がそれにあたるでしょう。2年、3年を通して使うことを前提に、月額料金が割引になるという仕組みがあります。それ以前に契約を解除すると、一定の「違約金」が必要になるというモデルですね。
ソフトウェアのサブスクリプションモデルでは、違約金が発生するような契約形態は、あまり聞いたことがありません。そのため、自分の親には「ITやPCに関してなにか“契約”する場合、まず“違約金が発生するか”だけはチェックして」と伝えます。店舗独自の月額課金サービスが知らぬ間についてくるような場合、契約書にサインする前に、解約違約金の有無を必ず確認すべきだと思います。
個人においても「クラウド」利用が当たり前になり、スマートフォンを使うにしてもGoogleやApple、マイクロソフトとの“契約”が発生します。本来なら「利用規約」を隅から隅までチェックすることが、利用の大前提だとは思いますが、その契約を解除するのに、「違約金が必要か」を必ずチェックしてください。
私なら、違約金が必要なサービスは面倒なのでそもそも契約しません。月額費用が掛かるサービスは「いつでも乗り換えられる」ことこそがメリットですから。残念ながら日本の携帯電話サービスはそうなっていないので、契約に落とし穴がないかどうかを隅々までチェックせざるを得ないのですが……。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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