GEはなぜ、NECとIoT分野で“特別な関係”になったのか:Weekly Memo(1/2 ページ)
NECとGEがIoT分野で包括的な提携を結んだ。GEは産業向けプラットフォーム「PREDIX」を軸に他のITベンダーとも提携しているが、NEC関係者によると「今回の提携が最も包括的」だという。“特別な関係”になった両社の思惑とは――。
NECとGEがIoT分野で包括的な提携を締結
「両社で新たな産業革命を推進したい」――NEC執行役員の榎本亮氏と、米General Electric(GE)のIT・ソフトウェア事業部門であるGE Digitalでチャネル・アライアンス・ビジネス開発ベンチャー担当グローバル責任者を務めるデンジル・サミュエルズ氏は、両社が10月26日に開いたIoT(Internet of Things)分野での包括的提携の発表会見で開口一番、口を合わせてこう語った。
今回の提携は、システムインテグレーション(SI)やその運用面において幅広い技術と豊富な実績を持ち、人工知能(AI)やIoTなどの先進技術も有するNECと、産業向けプラットフォーム「PREDIX」を有しグローバルで「インダストリアルインターネット」を推進するGEが協業することで、日本企業向けIoTソリューションの開発・導入・保守サポートまで一貫した体制を構築。これにより、先進かつ高信頼なIoTソリューションを提供し、ユーザー企業のデジタルトランスフォーメーションを促進することを狙いとしている。(図1参照)
提携の軸となるPREDIXは、GEが開発したIoT対応の産業向けクラウドプラットフォームで、アセットパフォーマンスマネジメント(APM)など数多くのアプリケーションを産業用機器と接続し、データ収集や分析を行い、リアルタイムに事業者に知見を提供することで産業用機器の性能向上や製造プロセスの全体最適化を図る役割を担っている。GEでは、このPREDIXを社内に適用して成果を上げたことから、自らの顧客に提供。さらに2015年10月にGE Digitalを発足したのを機に、PREDIXをインダストリアルインターネットのプラットフォームとして確立すべく、ITベンダーなどとのパートナーエコシステムづくりにも注力している。
両社の具体的な提携内容は、図2のように6つの取り組みから成る。それぞれの詳しい内容および会見での両氏の発言については関連記事をご覧いただくとして、ここでは両社が“特別な関係”になったことに注目したい。
特別な関係とはどういうことか。それをひもとくために、榎本氏の上司であるNEC取締役 執行役員常務兼最高マーケティング責任者(CMO)の清水隆明氏、及びサミュエルズ氏の上司であるGE Digital最高経営責任者(CEO)のビル・ルー氏が、今回の発表に際して寄せたコメントを紹介しておきたい。
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