Googleの親会社Alphabet、自動運転車プロジェクトを「Waymo」としてスピンアウト
Alphabetが「X」下で進めてきた自動運転車事業を独立子会社Waymoとしてスピンアウトさせた。自動車メーカーではなく、自動運転技術企業であり、「よりよいドライバー(自動運転技術)に取り組む」としている。
米Googleの親会社AlphabetがXの1プロジェクトとして進めてきた自動運転車事業を独立子会社Waymoとしてスピンアウトさせた。Waymoのジョナサン・クラフシックCEOが12月13日(現地時間)、公式ブログで発表した。
Waymoは「a new way forward in mobility(モビリティに向かう新たな道)」を意味するという。「われわれは、人やモノを安全かつ簡単に移送できるようにするというミッションを持つ自動運転技術企業だ」とクラフシック氏は定義する。
WaymoのWebサイトのコンテンツのFAQを含むほとんどは従来のプロジェクト公式サイト(google.com/selfdrivingcar/)と同じで、旧URLからリダイレクトされる。
Waymoが同日サンフランシスコで開催したプレスイベントを取材した米Business Insiderによると、クラフシック氏は「われわれが(ミッションについて)準備ができたことを世界に知らしめたい」と語った。
だが、当面は最終目標であるハンドルもない完全自動運転車ではなく、自動運転技術の開発に重点を置くという。クラフシック氏は「われわれは自動運転技術企業であり、自動車メーカーではない。よりよい車を製造するのではなく、よりよいドライバー(自動運転技術)を開発する事業に取り組む」とも語った。
Googleは2010年に自動運転車プロジェクトを立ち上げ、これまでに約322万キロのテスト走行を行ってきた。現在もワシントン州、カリフォルニア州、アリゾナ州、テキサス州など、自動運転を認めている州でテスト走行を続けている。
ミシガン州は12日、無人自動運転車の公道テストを認める州法を成立させており、自動車メーカーと提携していればGoogleを含む非自動車メーカーも無人自動運転車での公道テストを可能にした。
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