大同生命保険、アバイアのコールセンターシステムを導入 高齢者には自動応答をやめてサービス向上
大同生命保険が、アバイアのコールセンターソリューションを更新し、ルーティングの高度化と統計情報を活用しアデータ分析の強化を実現した。高齢者からの電話には自動応答システムでの対応をやめ、オペレーターが直接対応するなど、品質向上を図っている。
大同生命保険が12月20日、コールセンターに日本アバイアのコールセンターソリューションを導入したことを明らかにした。数年に1回のシステム更改に合わせて、先進性や信頼性、品質などを考慮して、アバイアのコールセンターソリューションを継続採用することを決めた。導入には、NTTコムウェアとT&D保険グループのT&D情報システムが協力した。
アバイアを採用した理由の中でも、特に大きかったのが「ルーティングの高度化」と「統計情報を活用したデータ分析の強化」だ。これらの分野では、アバイア製品の機能を有効活用している。
特に、高齢の顧客向けに、分かりやすく利便性の高いサービスを提供する「ベストシニアサービス」を推進している大同生命。ルーティングの高度化により、発信者番号で高齢の契約者からの電話と判断できた場合、音声自動応答システムを経由せずに、直接オペレーターに接続する仕組みを導入した。また、発信者番号で2回目以降の問い合わせの顧客と判断できた場合は、音声自動応答システムを通さず、前回対応したオペレーターに接続する「ラストエージェントルーティング」も実現している。
ベストシニアサービスで、接続および対応の品質を向上させた結果、大同生命のコールセンターでは、高齢の顧客からの苦情が2013年比で4割減少し、感謝の声が3.5倍に増えた。今回のルーティング高度化によって、音声自動応答システムへの不満を解消し、さらにサービス品質を向上させたという。
また高齢の顧客を判定した場合、電話を受けるオペレーターの画面にその旨が表示されるようになったことから、オペレーターが事前に心構えをして、ゆっくり、はっきり話すなどの対応も可能になった。
データ分析機能も強化されたことで、電話担当者ごとのパフォーマンスを、応答内容と関連付けて分析することもできるようになった。このため、保険の給付請求の電話に対して、誰が最大のパフォーマンスを発揮しているか、といったことも、顧客へのアンケートなどに頼らず、容易に把握できるという。今後は統計情報を活用して運営を高度化するほか、オペレーターの得意・不得意分野も分かるため、それに合わせたトレーニングなども導入する。
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