第16回 使われないWindowsのアプリストア、何かメリットあるの?:変わるWindows、変わる情シス(2/2 ページ)
マイクロソフトの新OS「Windows 10」。もう使ったという人も、まだ試していないという人もいると思うが、あらためてそのポイントを“マイクロソフトの人”に解説してもらおう。今回は嫌われ者(?)のWindowsストアについてのお話。
Windowsストア上のアプリが「安全」な理由
Windowsストアアプリを使うメリットの2つ目は「セキュリティ」です。Windowsストアにアプリを掲載するには、マイクロソフトによる厳重な審査を通過する必要があります。必ずWindowsストアポリシーの規則に準じている必要があり、違反するものについては一切通りません。金銭詐欺を目的としていたり、マルウェアが埋め込まれていたり、不正に個人情報を収集したりするようなアプリは、Windowsストア上にはないのです。
また、Windows 10の「Device Guard(コード署名ベースの不正アプリ実行防止機能)」と組み合わせることで、業務端末をよりセキュアな環境にできます。
全ての業務アプリをブリッジツールを用いて、Windowsストアからダウンロードできるようにし、Device GuardでWindowsストアから提供されたアプリのみを実行可能にすることで、信頼できないWebサイトからダウンロードされたアプリや、なりすましメールによる標的型攻撃の対策にもなるのです。
アプリの管理と展開を効率的に
また、企業向けのWindowsストアを使うことで、管理者が許可したアプリのみをダウンロードさせることが可能になり、管理も楽になります。
管理者が企業向けWindowsストアWebポータルにアクセスし(※Azure ADの管理者アカウントが必要)、展開するアプリを選ぶと、ユーザーがWindowsストアのアプリを起動した際に、そのアプリのみが表示されるようになります。企業向けWindowsストアのメリットは以下の4つが挙げられます。
- 組織専用のストア(プライベートストア)を構築可能
- ライセンスの再利用、再配布
- 請求書や注文書で有料アプリのまとめ買いが可能
- アプリの更新の自動化
特にプライベートストアは管理者にとって非常に便利な機能になります。通常のWindows ストアと比較して、アプリやゲーム、ミュージック、映画とテレビのタブがなく、管理者が認めたアプリのみが表示されます。
アプリの展開については、無償アプリと有償アプリでフローが変わりますが、どちらにせよ、アプリを入手してユーザーに展開することは容易です。Windowsストアは、企業の生産性やセキュリティを高める切り札になり得る機能です。“邪魔者”扱いせずにうまく使えば、管理者のアプリ展開や更新の負担も削減できるのです。
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