Watson日本語版を活用したチャット型社内ヘルプデスクサービス「AI-Q」
ソフトバンクが、「Watson」日本語版を活用したソリューションパッケージの第3弾、社内問い合わせ対応システム「AI-Q」の販売を開始した。AIが質問を理解し、最適な回答をチャットで提示する。
ソフトバンクが1月11日、木村情報技術が開発した、チャット型のAI社内問い合わせ対応システム「AI-Q(アイキュー)」を販売すると発表した。IBMの人工知能「Watson」日本語版を活用したソリューションパッケージの第3弾。
AI-Qは、企業で頻繁に発生する問い合わせ対応業務を行うチャットボットサービス。スマートフォンやPCなどからAI-Qに質問をすると、Watsonが質問の意図を推定し、最適な回答をデータベースから検索してチャット形式で返信する。対応するのはWatsonなので、基本的には24時間365日問い合わせができ、受付時間外といった概念はない。また問い合わせ窓口を調べたり、管理部門に聞いて回ったり、といった必要がないので、回答を得るまでの時間が効率化できる。総務や経理、人事、情報システム系の問い合わせ以外に、営業支援情報などの共有にも活用可能だ。
「パソコンから音が出ない」「プロジェクターに画面が映らない」といった日常のサポート業務から、「通信事業者向けの過去の提案資料はどこにある?」などのような関連情報の収集などまで、幅広く応用が可能だというAI-Q。質問や回答内容の作成や運営はユーザー企業側で行う仕組みなので、独自のデータベースが構築でき、導入コストも低く抑えられるという。初期費用はサーバ設定費用、システム設定・調整費用、マニュアルなどで200万円。運用費用は月額最低利用料金が24万円から(400ID、2万4000コールまで料金内で利用可能)。
社内運用を開始するまでは、申し込みから1カ月前後の時間を要する。また使えば使うほど回答精度が向上していくので、時間経過とともに正答率が高くなるという。
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