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シリコンバレー見聞録 SAPのビジネスモデル変革を成功させた「3つのP」:柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」(2/2 ページ)
IT起業の聖地といわれるシリコンバレーで見聞きした刺激的かつ興味深い体験から、注目のポイントを紹介。第5回は、デジタルビジネスの世界で売上を伸ばしているSAP本社の「Palo Alto Labs」です。
デザイン思考との出合い
SAPの会長だったハッソ・プラットナーは、2003年の「デザイン思考」との出合いに衝撃を受けたそうです。私財(なんと日本円で30億円以上)を投じ、スタンフォード大学にデザイン思考を学部横断で教えるd.schoolを設立しました。近接するSAPのパロアルトラボは、今では全ての仕事がデザイン思考の考え方で進められているそうです。
人事や経理の打ち合わせにも
当初、戦略や開発に導入されたデザイン思考は、やがてNewSAPを支える全ての業務やロールに広がります。訪問して驚いたのは、あらゆるスペースがデザイン思考を実践するために設計されていること。研究開発はまだしも、人事や経理の打ち合わせにもデザイン思考が実践されているとは驚きでした。
“出島”と新しい仕事の進め方
シリコンバレーは、かねてある意味ICTベンダーの聖地として存在してきました。SAPは、自社ビジネスを大きくドライブさせるために、外資系企業としてはトップのシリコンバレー従業員数を誇ります(シリコンバレー在籍社員ランキングで13位の4000人)。
しかし、単に拠点を作ればよいというのではなく、“やり方”自身を変える必要があります。
どうやらデザイン思考は、そのための強力なツールになっているようです。
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