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視覚障害者にも安全な案内を――Beacon×Watsonで生まれた音声ナビの実証実験スタート:清水建設と日本IBM、三井不動産の3社が協力(2/2 ページ)
日本IBM、清水建設、三井不動産の3社が協力し、日本橋の「コレド室町」で音声ナビゲーションの実証実験を行う。高精度な位置情報と音声ナビゲーションにより、外国人観光客や車いす利用や、視覚障害者などへの実用可能性を探る狙いだ。
実際にアプリを使うデモも披露
1月26日に行われた発表会では、実際のアプリケーションを使い、視覚障害者、車いすユーザー、外国人の利用を想定したデモも披露された。
視覚障害者、車いすユーザー、外国人の利用を想定したデモが披露された。視覚障害者用メニューのデモでは、アプリの開発に携わり、自身も視覚障害者である日本IBM東京基礎研究所 IBMフェローの浅川智恵子氏が実演している
視覚障害者用メニューのデモでは、アプリの開発に携わり、自らも視覚障害者である日本IBM東京基礎研究所 IBMフェローの浅川智恵子氏が実演。東京メトロ銀座線「三越前駅」の地下歩道付近から、コレド室町内の施設に向かうというもので、途中で少し壁に当たる場面もあったが、幅2メートル弱の通路をトラブルなく進んでいった。
「視覚障害者には本が読めないという情報の壁と、一人で外出できないという移動の壁という2つの壁がある。今回の実証実験のゴールは視覚障害者が街歩きを楽しむこと。2020年にこの技術が東京中に広がって、世界のロールモデルになることを願っている」(浅川氏)
2月8日から始まる実証実験に参加するには、iOS 10以降を搭載したiPhone(6以降、SEを除く)で、App Storeから配信されるナビゲーション用アプリ「NavCog」(無料)をダウンロードする。今後は参加者のアンケートから、位置精度、音声案内のタイミング、分かりやすさなどを評価し、サービスや技術の課題をシステムに反映させていくとしている。
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