もうBlu-rayの時代じゃない? 私がApple TVを選んだ理由:半径300メートルのIT(2/2 ページ)
先日、とうとうApple TVを買いました。今回は購入に至るまでの紆余曲折を紹介しようと思います。とはいえ、Apple TVで満足しているわけではないのですが……。
米国は、3歩くらい進んでる?
しかしこの状況は、理想とする姿からはかなり遠いと言わざるを得ません。本音を言えば、iTunesストアという「ロックイン」からも解放されたいところです。デジタル配信で先を行く米国では、NetflixやHuluのような新興メディアに対抗すべく、映画スタジオが「Movies Anywhere」というサービスで共同戦線を張っています。
Movies Anywhereは、購入した映画を「視聴する権利」をまとめ、デジタル配信を一手に請け負うサービス。米国においてはiTunesストア、Google Play、Amazon Videoなどの各種販売サイトで購入した映画視聴の権利を、このMovies Anywhereを通じて一括管理できるのです。
もともとはThe Walt Disney Companyによって作られたサービスでしたが、2017年10月には普段ライバルとして同社と競争しているUniversal PicturesやTwentieth Century Fox、Sony Pictures、Warner Bros.などの大手スタジオがこの仕組みに参加しました。
このサービスを利用することでユーザーは、スタジオの壁を越えて均一なサービスを受けられるだけでなく、配信ベンダーによるロックインも回避できるのです。
日本でも同様のサービスとして、東映など多くのスタジオが参加した「bonobo」というサービスが登場したものの、2017年6月にあっさりと終了してしまいました。国内ではBlu-rayを購入するとデジタル配信が付いてくるような商品もありますが、その内容は「おまけ」レベルであり、再生アプリが不安定だったり、機能が全くアップデートされなかったりと、常用する気はなれませんでした。
動画配信サービスは、設備投資やノウハウの面で先行している海外のサービスが強いのですが、権利の関係でそのまま日本では楽しめないものがほとんどです。映画をモノとして保存できるBlu-rayのようなメディアの販売は根強く残るとは思うものの、「手軽に再生したい」「安心してデジタル配信を利用したい」という点に関しても、できる限り進化してほしいと思うのです。
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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