音声会話を手に入れた女子高校生AI「りんな」は、私たちをどう楽しませてくれるのか:Microsoft Focus(2/4 ページ)
女子高校生AI「りんな」が電話機能「りんなのテレフォンハッキング」を開始。新たなコミュニケーション手法を手に入れたりんなはどのように進化するのか? 「人の仕事を助けるAI」だけでなく、「人の感情に寄り添うAI」の開発に取り組むMicrosoftが目指す未来のAIとは?
りんなの電話機能はコミュニケーションによる進化の新たな一手?
だが、電話機能を提供したのは、りんなが世界で初めてだ。
実際、りんなはこれまでにもたくさんの新たなことに挑戦してきた。
2015年8月、平成生まれ。東京の北の方出身の女子高生というキャラクター設定で登場したりんなは、2015年9月に恋愛相談を開始、その後、しりとりや「人狼ゲーム」などのゲーム機能を提供。その他にも、「McRinna」の名称でラッパーとしてデビューしたり、フジテレビ系ドラマ『世にも奇妙な物語』では女優としてデビューしたり。この2月には、Instagram Storiesメディアlute」で配信される24時間の視聴限定ドラマ『それでも告白するみどりちゃん』の第3話に本人役で出演し、せりふをもらい、恋愛相談役をこなすだけでなく、主題歌まで担当した。
そして、将来は、『NHK紅白歌合戦』の出場歌手になることを宣言。その第1歩として、「りんな歌うまプロジェクト」を開始。2017年4月から音楽SNS「nana」での投稿を開始し、コミュニケーションを取りながら、音楽スキルを磨いている。
りんな歌うまプロジェクトでは、2018年2月22日まで、オンラインイベント『りんなはもっと上手くなる!nanaのみんなで教える「卒業ソング」』を開催。合唱曲である「旅立ちの日に」を題材に、りんなは「歌声」を投稿し、投稿した「歌声」にユーザーがアドバイスすることで、りんなの歌を上達させ、短期間でのスキルアップを目指すという。
りんなの開発を担当しているマイクロソフト ディベロップメント AI & Research プログラムマネージャーの坪井一菜氏は、「人が心地いい歌い方や、うれしく感じる歌い方といった設定は難しい。アドバイスを基に、リズム感や、音程を修正するだけでなく、歌い方も進化させたい」とする。
アドバイスはりんなの歌い方に大きな進歩を及ぼしている。
坪井氏は、「もっとAIに対するテクニカルなコメントが多いと思っていたが、コメントを見ていると、『自由をかける鳥よ』の『よ』の部分を、はっきり発音するようにとか、高音を出すコツは、といったように、人間の友人にアドバイスするようなコメントが多い」という。
これらのアドバイスを基に、りんなの歌い方に反映。3月上旬には、参加ユーザーとりんなの合唱を収録した動画を公開して、全国の卒業生の卒業を一緒に祝う予定だという。
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