Kyndryl、Google Cloudを使う金融機関を対象に新たなデータ保護サービスを提供:セキュリティニュースアラート
Kyndrylは金融サービス機関向けに統合性や拡張性、セキュリティに優れたGoogle Cloud向け新サービスを提供する。金融業界特有の規制やコンプライアンスに柔軟に対応できるという。
Kyndrylは2023年10月31日(現地時間)、「Google Cloud」向けに機密データやセンシティブなデータを安全に保管、保護するための金融サービス機関を対象にした新サービスを提供すると発表した。
規制を順守しながら金融機関のデータを保護
新サービスは統合性や拡張性、セキュリティに優れたデータプラットフォームを実現し、金融業界の求める規制やコンプライアンスに対応する。
新サービスを構築する主な機能は以下の通りだ。
- Confidential Computing: 中核となる金融サービス向けの機能。処理中のデータを暗号化してデータの不正アクセスを防止する
- Google Cloud Sensitive Data Protection: 機密データを発見、分類、マスクするツールを提供。アナリティクスやML(機械学習)を含むAI(人工知能)モデルのトレーニングに使われることを防止する
- Security Command Center: 規制とセキュリティコンプライアンスを維持、管理し、違反に関する迅速なアラートの提供や改善するためのガイダンスを提供する
KyndrylはGoogle Cloudの金融サービス向けリファレンスアーキテクチャをベースにサービスを開発している。このサービスは自動化やセキュリティ、コンプライアンスなどの要望に対応できるように設計されており、銀行や金融機関のデジタル最新化のサポートに不可欠な多くの機能と差別化要因を備え、金融業界特有の要件やコンプライアンス基準を満たせる。
類似サービスとの違いは、今回の新サービスが金融業界の経験に基づいて開発されてる点にある。一般的なサービスは金融業界特有のサービスに対応しきれない面があり、Kyndrylは業界に特化したサービスとして設計することで金融業界特有の要望に柔軟に応えられると説明している。
金融業界の組織は同サービスを利用することでGoogle Cloudでのデータおよびアプリケーション環境の設計および実装が可能になる。同社がこれまでミッションクリティカルなITインフラの設計、構築、管理で培ってきた経験がGoogle Cloudにおける金融業界向けプラットフォームとして結実したものだとされている。
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