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Win10サポート終了後も3割が残存 AI PCの「魅力ポイント」は"慎重派"の心を揺さぶるか?【調査】AIニュースピックアップ

Windows 10サポート終了後も3割超の企業で同OSが残存している。この移行遅延層が、単なるOSのバージョンアップにとどまらず、次世代PCに求めているものとは。

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 「Windows 10」のサポートが2025年10月15日に終了したにもかかわらず、3割超の企業で同OSが残存していることが、ノークリサーチの調査によって明らかになった。

 この移行遅延層が、単なるOSのバージョンアップにとどまらず、次世代PCに求めているものとは。本記事は、「Windows 11」への移行が遅延している企業が、次世代PCであるAI PCに対して抱いている具体的な期待を、データに基に提示する。

Windows 10遅延層がAI PCに抱いている期待

 ノークリサーチは2025年11月5日、Windows 10からWindows 11への移行状況とAI PC導入意向に関する調査結果を発表した。同調査は企業でIT管理や運用に関わるビジネスパーソン955人を対象に2025年8月22〜25日に実施された。

 調査によると、Windows 10のサポートが2025年10月15日に終了した後も、31.3%の企業でWindows 10が残存していることが明らかになった。サポート終了後も移行が続いている企業が多く、PC機器販売の機会が継続している状況だ。Windows 11への移行は進行中だが、移行に合わせ、AI処理に特化したPC機器への買い替えを検討する動きもみられる。


Windows 10のEOSまでに移行が完了する予定の企業は4割程度(出典:ノークリサーチのプレスリリース)

 ノークリサーチは、この残存するWindows 10環境を「AI時代に向けた試験的なAI PC導入の機会」と位置付けている。単なるOSバージョンアップではなく、AI処理を活用した業務効率化やセキュリティ向上を狙う企業にとって、AI PCの導入が有効と分析している。

 調査ではAI PCの導入メリットとして、ペーパレス化、在宅勤務やモバイルワーク、生成AIやAIエージェントの活用、セキュリティ対策、PC管理・運用の軽減の5項目を設定している。そのうち「在宅勤務やモバイルワークでのAI処理によってクラウドへのデータアップを減らせる」という点が、新しいPC機器の買い替え意向につながるとされている。

 具体的に「在宅勤務やモバイルワークでAI PCを活用する」ことを有効と回答した企業ではPC買い替え意向が42.4%に達した。「PC内で処理が完了する」点を組み合わせて訴求した場合、買い替え意向は58.7%に上昇した。クラウドへの依存を抑え、通信コストやセキュリティ面での安心感を得られる点が評価されていると考えられる。

 他方で「在宅勤務/モバイルワーク」と「バッテリーの持続時間」を訴求した場合の買い替え意向は39.8%にとどまった。AI PCの長時間稼働性よりも、データを端末内で処理できる点の方が企業の導入判断に影響を与えていることが示されている。ノークリサーチは、AI PCの導入促進に当たっては「業務の目的や場面に応じたメリットを訴求すること」が重要だと指摘している。

 ノークリサーチは、企業に対しAI PCの試験導入を通じた段階的な更新を提案している。AI PCの導入により、クラウドを介さずにデータを処理することが可能となるため、セキュリティリスクの軽減やネットワーク負荷の抑制にもつながると分析している。

 同調査ではWindows 11への移行とAI PCの普及が同時に進行する状況が示されている。企業の多くは、単なるOS更新ではなく、AI処理を活用した業務効率化を目的に次世代PCへの投資を検討している。

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