ゲーミングパソコンでゲームをプレイする場合に用意しておきたいのが、ゲーム向けに設計された「ゲーミングキーボード」です。
ゲーミングマウスに比べて重要度は下がりますが、打鍵感やアクチュエーションポイント(どれだけキーを押し下げるとオン/オフを切り替えるか)をゲーム向けに調整していたり、ゲーム向けのメディアキーやマクロキーを用意していたりと、導入することで快適なゲーム環境を実現できます。
ゲーミングキーボードを選ぶ上でひとつの基準となるのが、キースイッチの種類です。ゲーム向けで一般的なのは「メンブレン方式」や「メカニカル方式」ですが、「メンブレン方式」は低価格ゲーミングキーボードで採用される機会が多く、ミドル〜ハイエンド製品では「メカニカル方式」がメジャーと言えます。キー1つ1つにメカニカルスイッチを採用しており、確実かつレスポンスの良い操作が可能なのがメリットです。
メカニカル方式は採用するメカニカルキーの種類によって細分化されますが、それらの名称は、世界中で定番化しているキースイッチ「Cherry MX」で使われる軸の色で表されるのが一般的です。
打鍵感の良さは個人の好みによりますが、ゲーミングで人気なのは、素直な押下感が人気の「Red(赤軸)」、入力速度が速い「Silver(銀軸)」など。また、近年のロジクール製品には独自の「Romer-G」スイッチが使用されたりもしています。メカニカル以外の高級製品では、「REALFORCE(リアルフォース)」シリーズなどに採用される「静電容量無接点方式」も人気です。
ゲーミングキーボード選びで悩ましいのが、テンキーの有無です。テンキーのないテンキーレスモデルは横幅をコンパクトにできるため、一定の人気があります。シューター系タイトルなど、特定のゲームしかプレイしないような場合は、テンキーレスでもまったく困ることはないでしょう。
ただし、一部のアドベンチャーゲームやシミュレーションゲームでは、初期のキー配置にテンキーが使用されている例がないわけではありません。そうしたゲームをテンキーレスキーボードでプレイする場合、キー配置を変更しなければなりません。
なにより数字の入力効率はテンキーがあるほうが圧倒的に優れているため、机のスペースに余裕がある場合はテンキーありの製品をおすすめします。
ゲーミングキーボードの中には、ゲーミングマウスのようにマクロキーを配置し、アプリごとに独自のキー割り当てができる製品も存在します。
とはいえ、多機能なゲーミングマウスと組み合わせる場合、キーボード側のマクロキーの出番は少ないでしょう。音量調節ができるメディアキーを採用するキーボードなどもありますが、こういった機能はあると便利です。
また、製品によっては標準で取り外し可能なパームレストが付属するものもあります。パームレストに手首を置くことで長時間の打鍵でも負担が軽減できるため、こちらもあるに越したことはないでしょう。ただし、キーボード手前側のスペースがある程度必要です。
Corsair(コルセア)の「K70 RGB MK.2 RAPIDFIRE MX Speed Keyboard」は、メカニカル方式の「MX Speed”(銀軸)」を採用したゲーミングキーボードです。
銀軸採用による入力速度の速さについて文句がないのはもちろん、テンキーおよびマルチメディアキーあり、取り外し可能なパームレスト付属と“あるとうれしい”要素がほぼ備わっているのが特徴です。
キー配列は英字配列ですが、ことゲーミングに用途を絞った場合、デメリットはそれほどありません。実売価格は1万7800円前後。プロシーンでの採用例もあり、高級ゲーミングキーボードとしては鉄板製品のひとつと言えます。
ロジクールの「Logicool G Pro X ゲーミング キーボード」は、クリック感の強い「GX Clicky」スイッチを採用するメカニカルゲーミングキーボードです。テンキーレスでコンパクトな形状が特徴で、コンパクトなぶんマウスを大きく動かしやすいため、シューター系タイトルにも向いています。
メディアキーなどは最小限ですが、F1〜F12キーには専用ソフトウェアを使ったカスタムボタンマクロを設定可能です。
有線接続ですがケーブルは着脱可能で、移動の際は取り外して持ち運べるなど可搬性の高さも魅力です。また、キースイッチ自体も取り外して交換が可能です。実売価格は1万2900円前後です。
Kingston(キングストン)の「HyperX Alloy Origins RGB」は、HyperXブランド独自の「HyperXメカニカルスイッチ」を採用したゲーミングキーボードです。Cherry MXの赤軸や青軸よりアクチュエーションポイントが短く設定されており、素早い押下が可能です。また、シャーシ部分は航空機グレードのアルミを採用し、薄型・軽量を実現しています。
キー配列は日本語配列で、メディアキーは用意しないシンプルな構造。ケーブルは取り外し可能で、キーボード側のコネクターはUSB Type-Cを採用しています。実売価格は1万600円前後です。
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