ガスコンロやIHキッチンヒーターを使っていると、だんだんと“油汚れ”が付いてきます。付いたらすぐに拭き取れば良いのですが、「後でいいや」と放っておくと、なかなか落ちない頑固な汚れとなってしまいます。装着されている位置や構造によっては、キッチンの換気扇も油まみれになりがちです。
この記事では、そんなキッチン回りの頑固な油汚れに使える「レンジ(コンロ)用洗剤」の選び方と、おすすめ製品を紹介します。
レンジや換気扇に付いた汚れを落とす際に「食器洗い用の洗剤は使えないの?」と思う人もいるかもしれません。実際に試してみた人もいるかもしれません。
しかし、食器洗い用の洗剤の多くは液性を「中性」としています。具体的にはpH(ペーハー:水素イオン濃度)を6〜8に設定することで、食器だけではなく野菜や果物も洗えるようにしています(※)。
(※)食品衛生法の規定では、野菜や果物を洗う洗剤は中性である必要があります。ただし、全ての中性の食器洗い用洗剤が野菜や果物を洗えるとは限らないので、用途(洗えるもの)をしっかりと確認してください
中性の洗剤は人間の肌はもちろん、洗う対象物に悪影響を与えることが少ないことがメリットです。しかし、酸性の汚れ(油など)やアルカリ性の汚れ(水アカなど)を落とす力がそれほど強くありません。
食器に付いた油汚れを落とす程度であれば、中性洗剤でも十分です。しかし、レンジや換気扇にこびりついた油汚れを落とすには洗浄力が不十分となってしまうのです。
先述の通り、油汚れは酸性の汚れです。そのため、強力にこびり付いた油汚れは、その逆の液性を持つアルカリ性の洗剤を使って落とすことをおすすめします。
今回紹介するレンジ用洗剤も例外なくアルカリ性です。台所で使うということもあり、天然成分を主体に作られている製品が少なくなく、中でも油汚れを分解する力が強い「オレンジオイル」を配合してるものが多いです。
ただし、アルカリ性の強い製品は肌に負担がかかります。使う際はゴム手袋を忘れずに着けてください。
レンジ用洗剤には、汚れに直接または薄めてかけて使う「直液タイプ」、スプレーで洗剤を汚れに噴霧する「スプレータイプ」、洗剤が泡状になって出てくる「泡スプレータイプ」があります。
直液タイプは比較的手頃で、薄めて使えば普段の掃除にも便利に使えます。ただし、液の粘性(ねばり)によっては、すぐ流れ落ちてしまうので、垂直な壁面などにかけて使う場合はスプレータイプか泡スプレータイプがおすすめです。
泡スプレータイプは、汚れが落ちる様子をチェックしやすいことが特徴です。換気扇の羽根についた固い油汚れをサッと掃除したい場合におすすめです。ただし、直液タイプや通常のスプレータイプと比べると液の内容量が少なめで、缶の処分がやや面倒です。
通常のスプレータイプは、コストと利便性のバランスに優れます。レンジ用洗剤では、このタイプが主流です。
以上を踏まえて、おすすめのレンジ用洗剤を3つ紹介します。
ライオンのレンジ用洗剤です。税込みの実売価格は、スプレー本体(400mL)が270円程度、詰め替え用(350mL)が200円弱です。
アルカリ成分とは別に溶剤成分を含んでいることが特徴です。アルカリ成分は油分を「分解」し、溶剤は油分を「乳化」するため、固形化した油汚れと粘性の強い(完全には固形化していない)油汚れの両方を効率的に落とせます。液性は弱アルカリ性なので、フッ素コートされているレンジや換気扇に使っても安心です。
スプレーのノズルを操作すると、泡(液体)の噴霧範囲を切り替えられるようになっています。洗浄する物や場所に合わせて切り替えると便利に使えます。
リンレイの住宅用洗剤です。容量は700mLで、税込みの実売価格は1300円弱です。
成分の98%が天然由来成分で、その名の通り純度の高いオレンジオイルを含んでいます。あえて「レンジ用」としていないのが特徴で、水回りを中心に利用できる場所が広いことが特徴です。
ホームクリーニングを手がける允・セサミ(インセサミ)が自ら開発した、レンジ用洗剤です。スプレータイプの容量は500mLで、税込みの実売価格は1500円弱です。
油汚れを2種類のアルカリ材で乳化して落とすタイプの洗剤で、お湯を使わなくても(=水でも)しっかり汚れを落とせることが特徴です。長時間つけ置きしなくてもしっかり落ちることが魅力です。
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