コンパクトに収納できる「折り畳み(たたみ)自転車」。乗った後はたたんで自宅やオフィスの隅に置いておいたり、車や電車に積んで旅先でサイクリングを楽しんだり──と、移動手段としての自転車のメリットをさらに高めてくれます。
折りたたみ自転車は人気が高く、多くのモデルが登場しています。ここでは、折りたたみ自転車のチェックポイントとおすすめモデルを紹介します。お気に入りの1台を選ぶ参考にしてください。
「フォールディングバイク」とも呼ばれる折りたたみ自転車。一般のロードバイクなどを収納する際は車輪を外す必要がありますが、折りたたみ自転車は車輪を外さずに車体をたたむことができます。十数秒程度のわずかな時間で折りたたみ・組み立てができたり、駅のロッカーに入るサイズにまでコンパクトになったりするモデルもあります。
自宅に駐輪スペースがない場合や、外にとめておきたくない場合などでもたたんで自宅内にしまっておけます。通勤の足として使い、オフィスではたたんでおくといったことも可能です。
自転車を電車に持ち込んで運ぶ「輪行」も容易。休日はちょっと遠くまで輪行し、現地でサイクリングしながら散策する──といった楽しみ方ができます。車に積むのも容易です。
自転車の魅力は、風を切って軽快に移動ができる自由度の高さ。折りたたみ自転車は、自転車の魅力をコンパクトな車体に凝縮しています。
一方で、一般的な自転車と比べると、弱点もあります。
折りたたみ自転車の多くは、車輪が小さい「小径車」「ミニベロ」と呼ばれるタイプ。車輪が小さく、前輪を挟む「フォーク」と呼ばれる部品(衝撃吸収の役割もある)も短いので、一般の自転車に比べると路面の影響を受けやすく、振動や衝撃を感じやすい傾向にあります。また、段差にも注意が必要です。
また、直進安定性は一般の自転車より低くなり、ハンドルもクイックになる傾向があるので、特にスピードを出す場合などは注意深く運転する必要があります。
折りたたみ機構がある分、メンテナンスと調整の必要性は一般の自転車と比べ高くなります。特に安価なモデルは耐久性も気になるところです。
長距離をサイクリングするなら、ロードバイクやクロスバイクと呼ばれるスポーツタイプのほうが快適さを簡単に得られます。折りたたみ自転車を選ぶメリットと必要性について、自分なりに考えておくと選びやすいでしょう。
日常のちょっとした足として使う、電車や車で遠出した先で散歩するようにサイクリングする、本格的にライドを楽しむ──など、目的に合わせて折りたたみ自転車をチェックしていきましょう。
コンパクトさと街乗りの利便性を両立させたいなら、タイヤのサイズは14〜16インチ程度になるでしょう。本格的なサイクリングを楽しんだり、走行安定性を求めるなら20インチ程度のモデルが向いていますが、収納サイズや重さは大きくなります。
変速機構もチェック。段数が多いほうが坂道や脚の力などへの対応力が高くなり、ペースも保ちやすくなりますが、価格も高くなる傾向にあります。
また、普通の自転車には当たり前の装備である「スタンド」がないモデルも多いので、必要な人はスタンドが装着可能かどうか、収納時にはどうなるのかを確認しておきましょう。
三脚のように縦にスリムにたたんだり、車体を横に2つ折りにしたりと、折りたたみ方式はさまざまなタイプがあります。収納場所や持ち運び方に合ったタイプを選びましょう。たたんだサイズも確認。輪行を積極的に楽しみたいという人なら、できるだけコンパクトになるモデルが向いています。重さは10kg前後くらいまでのモデルが持ち運びやすいでしょう。
・6万9300円(税込)
非常にコンパクトに折りたためる「A-bike」。英国の発明家クライブ・シンクレア氏が設計したもので、文字通り「A」形の自転車形態から20秒で折りたたむことができます。重さは6.79kgと軽く、折りたたんで電車などに気軽に持ち込むことができます。ただ、タイヤは8インチ(ノーパンクタイプ)と小さいため、走行性能や踏破性は高くはありません。電車やバスと組み合わせ、日常の足の延長として使うのに向いています。電動アシストモデルもラインアップ。
・8万9800円(税別)〜
“世界の自転車工場”である台湾のメーカー「パシフィックサイクルズ」(Pacific Cycles)が手がけるモデル。三脚のようにスリムに折りたたむことができ、縦長のロッカーにも収まります。テール部にはローラーを装備しており、たたんだ状態で転がして運ぶことができます。重さは8.6kgと軽量。気軽な輪行を楽しみやすいモデルです。タイヤは8インチ。
・10万3400円(税込)
英国発の折りたたみ自転車ブランド「ストライダ」(STRiDA)。三角形の自転車形態とスリムな折りたたみ形態が特徴です。「LT」は16インチタイヤを装備したスタンダードなモデル。シングルスピード(変速機構なし)ながらディスクブレーキを備えています。重量は10.6kg、折りたたみサイズは約720(高さ)×1130(幅)×360(奥行き)mm。
・5万9800円(税別)
ブリヂストンの街乗りスポーツバイク「CYLVA」(シルヴァ)シリーズの折りたたみ自転車。折りたたみ状態では830(長さ)×720×(高さ)×425(奥行き)mmになります。走りやすい20インチタイヤに8段変速を備えています。重さは11.6kg。性能と価格のバランスのいいモデルです。
・実売5万6000円前後(税込)
自動車メーカー名を冠したリーズナブルなモデルの1台ですが、重量が6.8kgと軽量なのが特徴です。14インチタイヤにシングルスピード(変速機構なし)のシンプルさで、軽さを生かした割り切った使い方ができそうです。
・8万5000円(税別)
折りたたみ自転車の専業メーカーとして実績のある「ダホン」(DAHON)の比較的新しいモデルが「K3」。14インチタイヤと3段変速機構を備えつつ、7.8kgというライトウェイトに仕上がっており、一躍人気モデルに。折りたたみサイズも65(幅)×59(高さ)×28(奥行き)cmとコンパクトです。
・17万9800円(税別)
多彩なダホンの折りたたみ自転車のうち、ドロップハンドルを備えたロードモデル「Speed RB」です。クロモリフレームに20インチタイヤ、シマノ「ティアグラ」グレードのコンポーネント、ディスクブレーキを装備し、本格的なライドが楽しめます。重さは12.0kg、折りたたみサイズは82(幅)×66(高さ)×56(奥行き)cm。
・8万6000円(税別)
ターン(Tern)の「Verge」(ヴァージュ)は流れるようなフレームデザインが特徴。「N8」は日本人の体格に合わせたセッティングをうたっています。20インチタイヤにシマノの8段変速機構を備え、中〜短距離のスポーツ走行を楽しめます。重さは11kg、折りたたみサイズは380×790×720mm。
・14万5000円(税別)
独自の折りたたみ機構を持つ、ドイツ発の折りたたみ自転車「birdy」(バーディ)。日本市場では「BD-1」として販売されてきましたが、現在はブランドが統一されています。最新のbirdyが流れるようなフレームデザインなのに対し、元祖モデルを現在の技術でリファインした「birdy Classic」はホリゾンタルでストレートなフレームがポイントです。各部を大径化するなどして、オリジナルモデルから走行性能や剛性を向上させています。重さ(ペダル含まず)は10.9kg、折りたたみサイズは62(高さ)×33(奥行き)×72(幅)cm。
・19万円(税別)
英国発の「ブロンプトン」は人気の高い折りたたみ自転車。十数秒で組み立て・折りたたみができる独自の機構を採用し、折りたたみ時は585×580×270mmというロッカーにも入るコンパクトサイズに。輪行や持ち運びが容易です。16インチタイヤの採用で走行性能は評価が高く、泥よけを標準装備するなどシティサイクルとしても優秀。多彩なモデルが登場している折りたたみ自転車の中でも憧れの1台です。レギュラーモデルの「M3L」は重量11.7kg、3段変速を備えています。
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