湿気の多い季節が近づいてきました。気を抜くといろいろな所にカビが生えてしまいがちな季節の訪れでもあります。
カビを防ぐ上で効果的なのは、湿気を極力取り除くこと。スーパーマーケットやホームセンターなどで販売されている除湿剤は、その助けとなるものです。
この記事では、キッチン回りや押し入れなど、使えるシーンが多いタンクタイプの除湿剤を使う上で重要なポイントと、それを踏まえたおすすめ製品を紹介します。ジメジメした季節を乗り切る“相棒”選びの参考になれば幸いです。
冒頭でも触れた通り、タンクタイプの除湿剤は、使える場所が多いことが何よりのメリットです。衣類を入れるクローゼット(押し入れ)はもちろん、ある程度奥行きのある靴箱や流し台の下など、カビの発生しやすい場所に容易に設置できます。
その上、タンクタイプの除湿剤は比較的価格が手頃であることもメリットです。繰り返し使うことを考えると、電気で駆動する除湿機も有力な選択肢ですが、どうしても導入時にそれなりの費用がかかります。また、場所も取ります。
開かれた広い空間(部屋)は除湿機、クローゼットや流し台など、狭くて密閉されがちな1〜2畳程度の空間には除湿剤と使い分けると効率的でしょう。
タンクタイプの除湿剤について、置くべき場所に迷うこともあると思います。
湿気、言い換えれば水分を含んだ空気は上方から下方に移動します。また、空間の中央から隅っこ(端部)に移動する傾向にもあります。
従って、タンクタイプの除湿剤は置きたい場所の床面、かつ端部に置くと一番効果的です。扉(ドア)がある場所に置く場合は、扉から離れた場所に置くことも忘れないでください。
大きめのクローゼットに靴箱に設置する場合は、タンクが大きめな(≒空気の取り入れ面積が大きい)除湿剤を使うか、除湿剤を2つ設置すると良いでしょう。
特にクローゼットや靴箱に入れて使う場合、除湿のついでに脱臭もできると便利です。
設置場所の脱臭も合わせて行いたい場合は、活性炭入りの除湿剤を使うと「一石二鳥」です。ただし、通常の除湿剤と比べると実売価格は少し上がります。
タンクタイプの除湿剤の多くは、塩化カルシウムを使っています。塩化カルシウム製剤が空気中の湿気を吸着し、ある程度吸着すると水溶液となって容器の下方にたまっていく仕組みです。
仕組み上、タンクタイプの除湿剤は繰り返し使えません。湿気の状況にもよりますが、おおむね3〜6カ月に1回交換する必要があります。少しでも長く使いたい場合は、タンク容量の大きなものを選ぶと良いでしょう。
水溶液のたまったタンクは、それを抜き取った後にゴミとして処分します。抜き取りは、透湿膜(※)の一部にハサミやカッターで切れ込みを入れて行うものが多いですが、あらかじめ切れ込みを入れてある製品を選べば、ハサミやカッターがなくても抜き取り作業ができます。
(※)湿気を含む空気は通すが、液体や水溶液は通さない特殊なフィルム/不織布
なお、塩化カルシウム水溶液はアルカリ性です。皮膚が弱いと、触れた際に炎症を起こすこともあるので、抜き取る際は十分に注意してください。
タンクタイプの除湿剤は無数にあります。その中でも、特にオススメなものを紹介します。
エステーの除湿剤ブランド「ドライペット」を冠するタンクタイプの除湿剤です。タンク容量は420mlで、3個パックで売られています。
タンクタイプの除湿剤としては定番中の定番の商品で、どこにでも置けることが魅力です。
オカモトの除湿剤ブランド「水とりぞうさん」を冠するタンクタイプの除湿剤です。タンク容量は550mlで、3個パックで売られています。
水とりぞうさんのタンクタイプ除湿剤は、透湿膜にあらかじめ切れ込みが入っていることが特徴で、使い終わった後にジッパーを引っ張ればすぐに水溶液を処分できます。
この製品は、その名の通り活性炭入りで、除湿のついでに脱臭も行いたい場合におすすめです。
エステーのタンクタイプの除湿剤です。タンク容量は350mLです。
通常のタンクタイプ除湿剤と同様に塩化カルシウム製剤で除湿することは変わりないのですが、除湿剤が袋(透湿膜)に包まれているため、パックを取り換えることでタンクを繰り返し使えることが特徴です。袋にたまった水溶液は、袋の一部を破って捨てます。
アドグッドのタンクタイプの除湿剤です。タンク容量は800mlです。
その名の通りタンク容量が800mlと一般的な除湿剤よりも大きくなっています。交換頻度を減らしたい場合、あるいは湿気がとても多い場所で使いたい場合におすすめです。
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