梅雨時を含めて、天気の良くない日が続くと洗濯物を部屋の中に干さなければいけないことが増えます。「昼間に洗濯をする時間がない」「洗濯物の盗難が心配」といった理由で、天気に関わらず洗濯物を部屋で干すという人も少なくないでしょう。
この「部屋干し」をする上で、とても重要なのが洗濯のやり方と洗剤選びです。この記事では、部屋干し用の洗剤を選ぶ上で重要なポイントと、それを踏まえたおすすめ洗剤を紹介します。
当たり前のことですが、部屋干しは「天日干し(外干し)」よりも洗濯物が乾くのに時間が掛かります。乾くスピードは気温(室温)に多く左右されますが、特に冬場は乾くまでに2〜3日掛かることもあります。
「だからどうした?」と思う人もいるかもしれませんが、洗濯物は短時間で乾かさないと雑菌が繁殖しやすくなり、結果として嫌な臭いが生じる恐れがあります。これがいわゆる「部屋干し臭」です。
この臭いは「部屋干し臭」と言われることもありますが、原理的には天日干しをしても乾燥に時間が掛かると臭いが発生しやすくなります。しかし「天日干し臭」という言葉は聞きません。
これにはれっきとした理由があります。昼間に天日干しすると、日光による殺菌効果を得られるので、部屋干しと比べると臭いが発生しづらいのです。
「なぜ洗濯しているのに臭いが生じるの?」と思うかもしれません。洗濯した衣類で臭いが生じる主な原因は、残った皮脂汚れを「えさ」にして雑菌が繁殖してしまうことにあります。
臭いの発生を防ぐには、洗濯でできるだけ皮脂汚れを落としきることが重要です。洗剤を選ぶ際は、まず洗剤自体の洗浄力をチェックしましょう。洗濯用洗剤には、大きく「液体」と「粉末」がありますが、一般的には粉末洗剤の方が洗浄力は高い傾向にあります。特に、漂白成分(炭酸ナトリウムなど)を含むものは洗浄力が強めです。
皮脂を含め、汚れ落としを重視する場合は、漂白成分入りの粉末洗剤がおすすめです。
ただ、洗浄力が強すぎると、衣類の「色落ち」や「色あせ」も起こりやすくなります。また、粉末洗剤は特に冬場に洗剤が溶けきらず、すすぎを繰り返さないといけないこともあります(洗濯にお湯を使うか、お湯で洗剤を溶かしてから入れると回避はできます)。
衣類の色落ちや色あせがどうしても気になる、という場合は色落ちしにくい液体洗剤を選ぶことをおすすめします。いわゆる「おしゃれ着」を洗う場合は、それに特化した液体洗剤もあります。
また、液体洗剤は元が液体なので「溶け残り」を気にすることはありません。すすぎも楽です。
ただ、「洗浄力が弱いということは、皮脂汚れはどうすればいの?」と疑問に思う人もいるでしょう。そのため、部屋干しのために液体洗剤を選ぶ場合は殺菌/抗菌性能に着目して選ぶことをおすすめします。
殺菌成分を含む洗剤では、臭いを発生させる雑菌そのものを減らす効果があるため、結果として臭いの発生を抑えることができます。また、抗菌成分を含む洗剤なら、残ってしまった雑菌の繁殖を抑制できます。
結果として、洗浄力の強い洗剤と同様に、部屋干し時の臭いの発生を抑えられるのです。
臭いの発生を抑えるには、より迅速に乾かすことも重要です。特に冬場、部屋の中で早く洗濯物を乾かすには以下のことに気を付けてください。
臭いという観点では、粉末と液体を問わず、最近の洗剤は香料を配合しているものが多いです。そのため、洗った後はその香料の香りを感じられます。
ただ、香料には「相性」があります。洗い終わった後に「あれ、何か香りが強すぎて不快……」ということもあります。「スメハラ(スメルハラスメント)」という言葉もある通り、香りが強すぎることで他人に不快な思いを与えることもあります。
香料入りの洗剤を使う場合は、できれば事前に香りを確認することをおすすめします。特にホームセンターなら、香りのサンプラーを設置していることもあります。
「買ったはいいけど、香りがちょっとなぁ」という場合は、すすぎの回数を2回に増やすとかなり和らぎます。洗剤成分や雑菌もよりしっかりすすげるので、臭いの発生も抑えられます。
なお、香りの強い洗剤を使っても、乾燥に時間がかかると雑菌によるイヤな臭いは生じます。早めに乾燥させましょう。
以上を踏まえて、部屋干しにおすすめな洗剤を紹介します。
花王の衣類用洗剤「アタック」シリーズの濃縮液体洗剤です。2槽式洗濯機や縦型の全自動洗濯機で使うことを想定した「レギュラー」タイプと、横型のドラム式洗濯機で使うことを想定して節水対応ポリマーの配合率を高めた「ドラム式専用」タイプが用意されています(洗浄成分の配合率は両者共に同じです)。それぞれのタイプに対して、キャップで計量する本体(ボトル)と、握り手を使って液剤の計量を行う本体(ワンハンド)の製品が用意されています(中身の液剤はどちらの本体でも共通です)。
洗浄成分を濃縮することによって洗浄力を向上した上で、抗菌剤に加えて雑菌による臭いの代謝をコントロールする仕組みを取り入れています。そのため、従来の液体洗剤と比べると部屋干し臭を発生しにくいことが特徴です。香料は、リーフィブリーズの香りを少しだけ配合しています。
P&Gの衣類用洗剤「アリエール」シリーズの粉末洗剤です。容量は600gと1.7kgの2種類が用意されています。計量スプーンは付属しないので、別途用意する必要があります。
漂白製品を2種類配合しており、汚れ落としと同時に除菌もしっかり行えるようになっています。同社の衣類用消臭剤「ファブリーズ」の開発チームと共同で開発した除臭成分も含まれています。洗浄力と消臭力の両方を重視するならイチオシです。
ライオンの衣類用洗剤「トップ」シリーズの濃縮液体洗剤です。「ニオイ専用」の名前からも分かる通り、通常の製品と比べると消臭/抗菌成分を強化しており、部屋干しでも便利に使えることが魅力です。
ボトル(本体)は、400gと660gの2種類を取りそろえていますが、400gでも従来の液体洗剤よりも多く洗濯できます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.