「タフネスウォッチの金字塔」として、世界中で高い人気を誇る「G-SHOCK」。中でもスクエアなデザインでおなじみのORIGINシリーズは、1980年代からの伝統のスタイルを継承した、定番のシリーズです。
今回は2記事に分けて「角型G-SHOCK」の中でもこだわりが光る、上位モデル2本を実機レビュー。その魅力をご紹介します。
物欲系ブロガー。理系出身で首都圏在住。「物欲紳士ブログ」にて、ミドル世代メンズの視点から「長く使える愛用品との出会い」をテーマに記事を執筆中。趣味は「良いモノ」集め、カメラと写真、クルマとドライブ、旅行、革細工などのモノ作り。
まず、今回レビューする2モデルの概略をご紹介します。「GW-5000-1JF」(2009年発売)は、ブラックとグレーで統一された外観が目を引く1本です。本機の外装は樹脂ですが、本体(ケースと裏ぶた)に金属素材を使用。G-SHOCKの初代機などと同様の構成としつつ、駆動部には利便性の高い電波ソーラー式の駆動モジュールを搭載しています。
一方の「GMW-B5000D-1JF」(2018年発売)は、メタリックな輝きが魅力的な1本です。シリーズ伝統の角型デザインはそのままに、外装を金属化。駆動部にはスマートフォンと連携可能な駆動モジュールを搭載し、機能性がさらに高められています。
両機に共通するポイントはシンプルな外観と、スタンダード機にはない“こだわり”です。1980〜1990年代にG-SHOCKを愛用し、現在ではミドル世代以上となった人々が、久々にG-SHOCKにカムバックするのにも最適な「大人仕様のG-SHOCK」となっているわけです。
以下では、まず前者(GW-5000-1JF)を実機レビューしていきましょう。
それでは早速、本機を手にしてみましょう。外観でまず特徴的なのは、ブラックとグレーで統一されたカラーリングです。角型G-SHOCKの定番モデルは、文字板面にアクセントとなるライン装飾を用いたデザインが基本です。本機では定番モデルに見られる装飾的な要素を廃し、よりシンプルな外観に仕上げられています。
その一方で、液晶表示部には(反転タイプではない)通常タイプの表示板が搭載されています。反転タイプの表示板を合わせれば、よりモダンな表情を演出できそうな基本デザインですが、あえてそうしなかった点からは“スタンダードさ”へのこだわりが感じられます。長年愛用しても、飽きのこないデザインとなっています。
外装部(ベゼル)の素材は樹脂、バンドは樹脂バンドですが、本体には重厚なメタルケースを採用しています。裏ぶたはDLC (Diamond-Like Carbon) と呼ばれる、耐傷性の高い黒化処理を施したスクリューバック仕様となります。一見すると「普通のG-SHOCK」ですが、見えない部分への“こだわり”が詰まった仕様となっているわけです。
通好みな仕様が見どころな本機ですが、実用的なメリットも存在します。それは装着性に優れたソフトタイプのバンドを採用している点です。バンドの弾性力を活用して耐衝撃性を高めるという、独自の設計思想を採用しているG-SHOCK。それゆえの独特なバンド形状と装着感は、好みが分かれるポイントです。
本機では本体部の金属化により高強度を実現したため(?)か、標準グレードの機種よりもしなやかなバンドが採用されています。装着時の「腕当たり」もソフトなので、標準モデルの装着感が好みでない人にも、試してほしい1本です。
駆動部には、スタンダード機と同等の電波ソーラータイプの駆動モジュールを搭載しています。全世界の4エリア(日・中・米・欧)での電波受信に対応する上に、定期的な電池交換は不要です。普段使いだけでなく、旅行やレジャー用にも最適な1本となっています。
なお、本記事の執筆時点でレビュー機(GW-5000-1JF)は既に廃盤となっており、後継機(GW-5000U-1JF)が登場しています。
新旧モデルでは駆動モジュールの型番が変更され、現行機ではバックライトの発光体が白色LEDに変更となりました。白色で読み取り性の高いバックライトが採用されたことで、より実用性に磨きがかかったと言えるでしょう。
ここでは、角型G-SHOCKの上級機「GW-5000-1JF」を実機レビューしました。「外見ではなく中身で勝負する!」と言わんばかりの、玄人好みな仕様とスタイルが魅力的な1本でした。
レビュー機は既に廃盤となっていますが、駆動モジュールが置き換わった後継機(GW-5000U-1JF)が存在します。シリーズのラインアップ中でも、孤高の存在感を放つ1本。見えない部分で差を付けたい人に、特におすすめしたい腕時計です。
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