月や土星など、天体を観察するために必要になる「天体望遠鏡」。満天の星空で心癒される天体観測は、お子様の自由研究としても、大人の趣味としても人気です。
天体望遠鏡には種類がたくさんあるため、どのように選べばよいのかわからないという方も多いでしょう。今回は、初心者におすすめの天体望遠鏡を紹介します。
天体望遠鏡を選ぶ上でまず注目してほしいのは「鏡筒(きょうとう)」です。
天体望遠鏡の鏡筒にはレンズで光を集める「屈折式」、鏡で光を集める「反射式」、屈折式と反射式両方の要素を合わせた「カタディオプトック式」がありますが、このうち手入れが簡単なのは「屈折式」になります。初心者の方は屈折式の鏡筒を持った天体望遠鏡をおすすめします。
鏡筒の次は、望遠鏡を支える「架台(かだい)」で選びましょう。
シンプルかつ直感的に使いたいという場合は、鏡筒の向きを上下左右に動かせる「経緯台」タイプの架台がついた製品を選びましょう。反対に、長時間にわたってじっくり観測し続けたり、天体写真を撮影したい場合であれば、天体を簡単に追跡できる「赤道儀」タイプがよいでしょう。
天体望遠鏡の倍率は接眼レンズをつけ替えることで調節できますが、倍率を高くしすぎると暗く、見えにくくなってしまいます。最高倍率はレンズの有効径に2をかけた数字なので、製品を選ぶ際は口径の数字に注目するとよいでしょう。例えば、口径60mmの望遠鏡の場合は60×2となり、120倍までであれば見ることができます。
必要な倍率の目安としては、星雲や星団の観測には20〜50倍、月面の観測であれば50〜100倍、土星などの模様を観測する場合は150倍以上が妥当です。
Vixen(ビクセン)の「天体望遠鏡 ポルタII経緯台 A80Mf」は、手を離した位置で鏡筒が固定される「フリーストップ式」を採用しており、初心者でも直感的に操作できる経緯台式の天体望遠鏡。微動ハンドルもついているため微調整もしやすいです。
正立天頂プリズムが付属しているため、天体望遠鏡としてだけではなく地上風景の観察にも使えます。
レンズ有効径は80mm。販売価格は5万3000〜7万円(税込、以下同)前後です。
同じくVixenの「CELESTRON(セレストロン)天体望遠鏡 StarSense Explorer(スターセンス エクスプローラー)DX102AZ」は、スマートフォンと同期できる経緯台式の天体望遠鏡です。専用アプリ「StarSense Explorer」をインストールすることで、簡単にお目当ての天体を見つけることができるようになります。
同アプリでは観測日時から「今夜のベスト天体」を案内しているため、毎日望遠鏡を覗くのが楽しみになりますね。レンズ有効径は102mm。販売価格は5万7000円〜7万円前後です。
スコープテックの「ラプトル」シリーズは、入門用の天体望遠鏡のベストセラー。初心者でも簡単に目的の星を見つけることができる「のぞき穴ファインダー」という装置が人気です。
こちらで紹介する「ラプトル60」は、兄弟機の「ラプトル50」と比較すると、架台部分がより頑丈に、より精密な操作が可能になっています。さらに伸縮式の三脚を採用したため、子どもから大人まで幅広く使えるようになりました。
わかりやすい説明書、サポートサイト「スコープタウン」、YouTube動画など、徹底してユーザーへ寄り添ってくれる点でも安心感がありますね。レンズ有効径は60mmで、販売価格は2万2000円前後です。
池田レンズ工業の「天体望遠鏡 レグルス60」は「初心者が扱いやすい」に徹底的にこだわった天体望遠鏡です。初心者が苦戦しがちなファインダーの扱いを、「素通しファインダー」を搭載することで解決しています。
スマホ撮影用のカメラアダプターが付属しているのもうれしいですね。写真や動画を手軽に撮影できるので、感動をSNSでシェアしてみてはいかがでしょうか。軽量なので、アウトドアへの持ち出しも簡単です。レンズ有効径は60mm。販売価格は1万5000円〜2万円前後です。
NATIONAL GEOGRAPHIC(ナショナルジオグラフィック)の「天体望遠鏡 90-70000」は赤道儀式の架台が付属した天体望遠鏡です。
赤道儀式のため、経緯台式に比べると少し操作の難易度が上がりますが、ハンドル1本で星を追跡できるので、じっくり時間をかけて観測したいという方にはおすすめです。
軽量のアルミ三脚を採用しているため、持ち運びにも便利です。レンズ有効径は90mm。販売価格は2万8000〜4万円前後です。
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