家計簿をつけるときや勉強、簿記、経理の仕事など、計算をする場面で必要になる「電卓」。ひと口に電卓と言っても、その種類はさまざまで、四則演算など基本的な計算をメインとしているものから、√やπを使ったより高度な計算に対応したモデルもあります。
今回は、ボタン1つで複雑な計算ができたり、特殊な機能が使えたりと、一般的な電卓よりも機能性の高いモデルをピックアップしました。これから紹介する選び方を参考に用途の合う電卓を手に入れて、計算効率をアップさせていきましょう。
「普通電卓」は、四則演算や百分率などの基本的な計算機能を搭載しているタイプ。特殊な機能は付いておらず、表示される桁数としては8〜10桁のものがほとんどです。家計簿をつけるなど日常生活での利用に適しています。
簿記や経理など、より効率の良い計算が求められるケースでは、「実務電卓」がおすすめ。表示桁数も12桁以上のものが多く、「00」などの効率化キーや「原価」「売価」「粗利率」など豊富な種類のキーが備わっているのが特徴です。
中には、金融関係の仕事の計算に便利な「固定金利」「段階金利」などのキーが付いている、金融計算が効率よく行えるモデルもあります。
数学や工学、物理学、統計学などの分野で高度な計算を行う際は「関数電卓」が便利です。√やπなど関数計算に役立つキーをはじめとした、多種多様なキーを搭載しています。
表計算、不等式計算、高等統計分布計算、ベクトル計算など、1台でさまざまな計算が行えます。ディスプレイは2行や3行の表示に対応しているモデルも多く、計算過程を見たり分数の計算をしたりするときに役立ちます。
家計簿をつけるとき、経理の作業をするときに便利なのが「GT(グランドトータル)機能」。GTと書かれたボタンを押すだけで、複数の計算結果を合計し、集計結果を表示してくれます。そのため、GT機能付きなら、各項目の計算結果を再度打ち直す必要がなくなり、計算作業の効率化が図れます。
また、仕事や簿記検定のときなど、素早くキーを打ち込まなければならないときもありますよね。その場合は、「キーロールオーバー機能」を搭載したモデルがおすすめです。
この機能があれば、キーから指を離す前に、次のキーを押した場合でも、入力されたキーを順番通りに認識してくれます。これなら早打ちをしても、しっかり処理されるため、スピーディーな計算を実現できます。また、打ち間違えの防止にもつながります。
素早く打ち込むことを想定しているなら、裏面に「滑り止め」が付いているか確認しておきましょう。滑り止め付きなら、指をスピーディーに動かしても、ポジションがズレにくく、安定した状態で素早い計算が行えます。あるいは、安定感にこだわる場合は、普通より少し重たいモデルを選ぶのも1つの手です。
スピードを求めるあまり、カタカタと電卓を叩く音がオフィスや試験会場の中で響き渡ってしまうこともあるでしょう。打鍵音が心配なら、「サイレント機能」が付いているかチェックしておきましょう。
サイレント機能付きなら、打鍵音を抑えてくれるので、早打ちの人や力が入りやすい人でも、静かに計算できます。
ちなみに、日商簿記検定をはじめ、試験に電卓を持ち込むという場合は、持ち込める電卓に関しての規定がありますので、まずはそちらを確認した上で、対応している電卓を選んでくださいね。
シャープの「実務電卓 抗菌ナイスサイズタイプ」は、12桁まで表示できる実務電卓。基本的な四則演算ができるのはもちろん、時間計算や日数計算など経理の業務に役立つ機能を搭載しています。
1回目の計算結果と照合できる「アンサーチェック機能」も付いています。毎秒20回の高速入力に対応しており、「キーロールオーバー機能」を搭載しているので、早打ちをしてもしっかり認識してくれます。
キーのサイズも大きめで打ちやすく、打鍵音も小さめなので周りに配慮しながら素早く打ち込めます。裏面には4カ所に滑り止めのゴムが付いているので、安定感も抜群です。販売価格は4300円前後です。
キヤノンの「電卓 LS-122TSG」は、四則演算、時間計算、商売計算、税込み・税抜き計算などに対応している実務電卓。12桁までディスプレイに表示できるモデルです。表示部は大型で、手前に傾斜が付いていることもあり、視認性が高くなっています。
「原価」「売価」「粗利率」のキーが付いており、効率良く商売計算が行えます。時間計算にも対応しているので、給与計算や勤務時間の計算がスムーズに進みます。また、税率の変更機能が付いているため、もし税率が改定されたときでも対応できます。
キーロールオーバー機能搭載のモデルなので、早打ちも可能です。その他、GT機能やメモリー機能といった便利な機能を搭載。販売価格は1000円前後です。
カシオの「スタンダード関数電卓 fx-JP900-N」は、1画面に4行まで表示できる関数電卓。分数も教科書通りの形で表示される「数学自然表示」に対応しています。処理速度も速く、メモリーも大きいので大量のデータを素早く分析することが可能です。
通常の四則演算以外に、表計算、不等式計算、高等統計分布計算、ベクトル計算、行列計算、総積計算など、さまざまな計算に対応しています。K(キロ)やM(メガ)などのエンジニアリング記号を表示して計算することも可能です。
その他、周期表機能、整数抽出機能、変数一覧表示、統計値一覧表示、単位換算など、便利な機能を多数搭載。数式やグラフなどのデータをQRコードに変換し、それをスマートフォン等で読み取り、WEB上で閲覧できるという機能もあります。販売価格は5808円(税込み、以下同)です。
シャープの「プリンタ電卓 EL-1750V」は、印刷機能を搭載した珍しいタイプの実務電卓。計算結果を印刷することができ、プラスは黒、マイナスは赤の色で印字されます。
「CHANGE」キーを使えば釣銭金額を簡単に算出できるので、計算結果を印刷してレシート代わりに相手に渡すことも可能です。「COST(原価)」「SELL(売価)」「MGN(利益率)」のキーも付いており、スムーズに商売計算が行えます。
その他、GT機能やキーロールオーバー機能を搭載。12桁まで表示できるモデルです。販売価格は8000円前後です。
カシオの「金融電卓 ジャストタイプ BF-850-N」は、金融関係のプロにピッタリのモデル。通常の四則演算ができるキー以外に、金融計算を楽にする多様な効率化キーが用意されています。
固定金利、段階金利、元金均等固定金利、定期預金、外貨預金損益、年賦償還、繰上返済借換、メモリー操作など、金融関係者であれば仕事上で良く使うような項目が、ワンタッチキーの形で付いています。
これなら繰上返済計算などの専門的な計算もスムーズに行えるでしょう。キーロールオーバー機能を搭載しているため、早打ちにも対応できます。最大12桁の数字が表示されるモデルです。販売価格は1万450円です。
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