皆さん、「HHKB」はご存じでしょうか。「高級キーボード」というイメージはあるけれど、どのような製品かよく分からないという人もいるでしょう。
今回はHHKBがどんな製品か、そして仕事道具として使っている筆者の使用感なども紹介しようと思います。ぜひ製品選びの参考にしてみてください。
大学卒業後、大手メーカー系自動車販売会社に勤務。在職中は個人顧客を中心に年間平均60台の新車を販売。自動車保険の見直し提案などの経験も豊富。その後、金融業界に精通した業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事するとともに、2級ファイナンシャル・プランニング技能士およびAFP資格を取得。2018年よりライターとして活動を開始。新車ディーラー業界の裏話やファイナンシャルプランナーの視点から見た車購入アドバイスだけでなく、お得なカー用品やガジェット紹介等も得意とする。私生活では3児とうさぎ2羽の父。【保有資格】2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)
「HHKB」の正式名称は「Happy Hacking KeyBoard(ハッピーハッキングキーボード)」で、リコーの子会社であるPFUが販売しています。PFUは、業務用のイメージスキャナーなどのコンピューター関連製品を扱っています。「ScanSnap」というスキャナーも主力商品です。
「プログラマーが理想とするキー配列のキーボード」といわれるHHKB。キー配列が独特なのですが、合理的に並んでいるので本質的にスピーディなタイピングが可能となります。
誕生から25年以上が経過している歴史の長いキーボードで、プログラマーなどのヘビーユーザーに人気があります。現行モデルとしては、有線接続と無線(Bluetooth)接続に対応した「HYBRID」モデルと、有線専用モデルの「Classic」、最上位モデルの「HYBRID Type-S」の3モデルを展開。製品により異なりますが、英字配列や日本語配列、無刻印などに対応しており、カラーは白や雪、墨などがあります。
HHKBは独特なキー配列なので、慣れるまで時間がかかります。筆者は旧モデル「HHKB Professional JP」の墨モデルを使用していますが、墨カラーはキートップに印字された文字が見にくいため、タッチタイプができるレベルのキー操作は必須だと感じます。
しかし、不便さを超越した「静電容量無接点方式」のキーの打ち心地は格別です。静電容量無接点方式とは、コニックリング(円錐ばね)を押し下げることにより、電極に接することなく電荷の容量値変化を捉えてスイッチングを行う方式で、軽いタッチでタイピングできる高い操作性が特徴です(出典:PFU)。
筆者は今まで数千円のキーボードやメカニカルのゲーミングキーボードなど、複数のキーボードを使ってきましたが、HHKBに勝る打鍵感を感じたことはありません。キーボードの中でも高級の部類に入りますが、購入費用以上の感動を味わえるのではないでしょうか。
ネット上のレビューを見ていると、ハイエンドモデルのType-Sのレビューが多く、静音モデル以外の製品の打鍵音がどれくらいなのか気になる人もいるでしょう。
筆者は旧モデルの「HHKB Professional JP」という有線接続モデルを使用しています。現行モデルではClassicと同等となりますが、打鍵音については静かな部屋でタイピングしていると音が響いていると感じます。オフィスなど、他人がいる空間での使用が多い場合は、多少高額であってもType-Sの方が周りの迷惑になる可能性は低いでしょう。
逆にリモートワークなどで一人作業が多い人は、どちらを選んでもタイピング音を気にせずに仕事に没頭することができるはずです。
心地よい打鍵感を感じられますが、前述したようにキー配列が独特なので慣れるまで時間がかかります。長い時間使っていたとしても慣れずに挫折する人もいるようなので、人を選ぶ玄人向けということは確かです。
さらにHHKBはボディの厚みがあるので、パームレストなどがないと手首に負担がかかってしまう人も。対策グッズをそろえなければならないのも、マイナスポイントとなるかもしれません。
また、売れ筋モデルの「Type-S」の販売価格は3万6850円(税込)もするのに、店頭で試して購入することが難しいというのもネックです。商品を実際に見て触れることができる「タッチ&トライスポット」は、あまり多くはないのが実情です。
デメリットはありますが、「マッチすれば一生の相棒になるデバイス」ともいえるHHKB。ネット上のレビューを見ても賛否両論ある商品ではありますが、合えば最高の仕事の相棒として長く活躍してくれるでしょう。
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