小型のソーラーパネルとして、持ち運んで使える「ソーラーチャージャー」。太陽光さえあれば発電可能なので、電源を確保しにくいアウトドアシーンや災害時にも役立ちます。
今回は、そんなソーラーチャージャーの選び方とおすすめのモデルを紹介します。アウトドア用品として、あるいは防災用品として1つ準備しておけば、もしもの事態にも対応しやすくなるはず。発電性能や携帯性に注目して、用途に合ったものを選びましょう。
フリーライターとして、家電、家具、アニメ等の記事を担当。大学時代から小説や脚本などの創作活動にはまり、脚本では『第33回シナリオS1グランプリ』にて奨励賞を受賞、小説では『自殺が存在しない国』(幻冬舎)を出版。なんでも書ける物書きの万事屋みたいなものを目指して活動中。最近はボクシングをやりはじめ、体重が8kg近く落ちて少し動きやすくなってきました。好きなのものは、アニメ、映画、小説、ボクシング、人間観察。好きな数字は「0」。Twitter:@kirimachannel
発電性能をチェックするときに重要なのが、「変換効率」と「パネルの面積」。まず、変換効率を見ることで、太陽光から電力へどの程度の割合で変換されるのかが分かります。変換効率20%以上のモデルなら、比較的効率良く発電および充電が行えます。
発電性能を考える上で、もう1つポイントになるのがパネルの面積です。製品の特徴や使用状況によっても異なりますが、基本的には大きなパネルを備えているものの方が、優れた発電性能を発揮します。
パネル面積の大きいものとしては、「折りたたみ式」が便利です。折りたたみ式は、大きめのパネルをいくつかに折りたたんで収納・持ち運べるタイプ。電力をたくさん確保できるので、アウトドアはもちろん、災害時など電力供給が断たれたような場面でも役立ちます。
コンパクトに持ち運びたいという場合は、「モバイルバッテリータイプ」がおすすめです。上述の折りたたみ式は発電性能に優れている反面、展開時に幅が1mを超えるような製品も多く、携帯性の点で課題があります。
一方、モバイルバッテリータイプは、軽量かつスマホと同じくらいのサイズなので、手軽に持ち運べます。折りたたみ式とは違い、蓄電することも可能です。バッテリー容量の大きいモデルなら、スマホを複数回充電することもできます。
また、このタイプは機能性が充実している点も魅力的なポイントです。例えば、ケーブルをつないだ充電だけでなく、ワイヤレスで充電できる「QI(チー)」に対応しているモデルもあります。ライト機能を搭載しているものも多く、災害時に明かりを確保できます。
ただし、搭載されているパネルが小さいため、発電性能はあまり期待できません。時間を掛ければ発電可能ですが、すぐに電力を確保したいというケースには向かないでしょう。
通常のモバイルバッテリーと同様、コンセントから充電し蓄電することもできるので、モバイルバッテリーとしての機能をメインに考え、発電は付属の機能としてとらえた方が良いでしょう。
アウトドアシーンや災害時は、ソーラーチャージャーを屋外に設置して利用することが想定されます。不意の雨などで故障してしまう可能性がありますので、防塵・防水性に優れたものを選ぶ必要があります。
防塵・防水性は「IPコード」を見ることで確認できます。「IPコード」は基本的に「IP54」などの形で表記され、左記の例で言えば、前の「5」が防塵性、後ろの「4」が防水性の等級を表しています。
防塵性は0〜6の7等級、防水性は0〜8の9等級で表記され、数字が大きいほど優れた性能を備えていることを表します。最低でも「IP54」程度の防塵・防水性は確保しておきたいところです。これなら砂塵や水飛沫の影響から本体を保護することができます。
Ankerの「Anker PowerCore Solar 20000」は、20000mAhの大容量バッテリーを搭載したモデル。バッテリーをフル充電しておけば、iPhone 12なら約5回、Galaxy S20なら約3回、iPad mini 5なら約3回充電することが可能です。
ソーラー充電の機能も付いています。IP65の優れた防塵・防水性を備えており、アウトドアシーンでも問題なく使えます。2台同時に充電することも可能です。片手で持てるサイズで、重さも約469gと比較的軽量なので、気軽に持ち運べます。
LiberFlyerの「チャージックミニプロ」は、12000mAhの大容量バッテリーを備えたモデル。バッテリーをフル充電しておけば、iPhoneやAndroidスマホを約3回充電できます。また、2台同時の急速充電にも対応しています。
ソーラー発電だけでなく、手回し充電、コンセントからの充電の3種類の充電方式に対応しており、緊急時でもさまざまな方法で電力を確保できます。ライト機能を搭載しているので、停電時や暗い場所を移動するときにも役立ちます。
約7.9(横)×約13.9(縦)cmの片手で持てるコンパクトサイズ、重さも約320gと軽量設計なので持ち運びに便利です。
Jackeryの「Jackery SolarSaga 100」は、23%の高い変換効率を実現したソーラーチャージャー。展開時には約122(横)×約53.5(縦)cmになります。大きなパネルを搭載しており、優れた発電性能を備えているモデルです。
ポータブル電源の他、スマホやタブレット等の機器につないで充電できます。高耐久かつIP65の高い防塵・防水性を実現しており、雨風の影響を受けにくいモデルとなっています。スタンド付きなので、展開した後に立てて使うことができます。
折りたたむと、約61(横)×約53.5(縦)cmのサイズになるので、収納スペースもそれほど圧迫されないでしょう。持ち手付きなので、いざ必要なときには、サッと持ち出せます。
エレコムの「21W モバイルソーラー充電器」は、22%の高変換効率を実現したソーラーチャージャー。最大出力2.4AのUSBポートが2つ付いており、2台同時に充電可能です。
3枚のパネルが搭載されており、展開時の幅は約46.5cm。折りたたみ時には幅が約15cmのコンパクトサイズになります。大きめのパネルが付いていますが、重さは約450gと軽量。折りたたむとビジネスバッグのような形状になり、手軽に持ち運べます。
つり下げループが付いているので、アウトドアシーンの移動時にリュックにつり下げて、背中で発電しながら移動することもできます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.